【今週の振返り】ギリシャ問題解決を織り込み531円上昇した週

2015年06月27日 20:36

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水曜日まで4連騰で終値878円高は、12連騰時の終値999円高に比べて2.6倍の上昇ペースだった。さすがに木曜、金曜はクールダウンした。

 22日の日経平均は大幅続伸。前週末19日のNYダウは99ドル安で4日ぶりに反落。物別れに終わったユーロ圏財務相会合を受けてECBがギリシャの銀行向け緊急流動性支援の上限引き上げを決定したが、週明け22日開催の緊急EU首脳会議を前にした警戒感に支配され、FOMC後の3連騰の反動もあり終日軟調。朝方にギリシャのチプラス首相が新たな財政改革案を独仏EU首脳に電話で提案し、バルファキス財務相が「さらに妥協する決意」と発言したニュースが入っていた。CME先物清算値は20110円。22日朝方のドル円は122円後半だった。

 日経平均は0.10円安の20174.14円で始まるが、15秒後にプラス浮上。TOPIXも同様にマイナスで開始した直後にプラスになり寄り安上昇。序盤は順調に値を切り上げ150円近く上昇。20200円台を15分余りで通過して20300円台に乗せ、20206円の5日移動平均線も20318円の25日移動平均線も一気にクリアした。232円安の前週の「自律反発」か、それともギリシャが新提案を電話した報道への好感か。20300円前後でしばらくもみあった後、午前10時20分頃から20350円前後まで値を切り上げた後は小動きで推移。前引けは161円高の20335円だった。後場はほぼ前引け水準で再開。午後2時台の途中まで20350円前後の小動きが続くが、その後は20400円にもときどきタッチ。5月の全国スーパー売上高は+5.7%で2ヵ月連続のプラス。終盤になると20400円台に乗せてさらに上昇し、午後2時58分に20433円の高値をつけて253円高の20428円と大幅高。TOPIXは1650に迫っていた。日経平均先物日中取引は20450円の高値引けで終了した。

 日経平均終値は253.95円高の20428.19円、TOPIX終値は+17.60の1648.61。売買高は20億株、売買代金は2兆1791億円。値上がり銘柄数は1282、値下がり銘柄数は497。28業種が上昇し、その上位は銀行、保険、医薬品、陸運、空運、その他金融、建設など。下落はガラス・土石、石油・石炭、卸売、パルプ・紙、海運の5業種だった。

 23日の日経平均は大幅3日続伸で年初来高値更新。週明けのNYダウは103ドル高。NASDAQは史上最高値更新。緊急EU財務相会合がブリュッセルで開かれたが、ギリシャ債務問題の決着は先送り。それでも決裂しなかった安心感、期待感でドイツやフランスの株価は大幅上昇しNY市場も大幅高。中古住宅販売件数は市場予測を上回る+5.1%で2009年に次ぐ高水準。シカゴ連銀全米活動指数はマイナスながらも改善と経済指標も株価を後押しした。「マージャーマンデー」のM&Aの話題も刺激になった。朝方のドル円は123円台前半で前日よりも円安。CME先物清算値は20505円だった。

 前日、安倍内閣は女性活用、ロボット戦略などを盛り込んだ「日本再興戦略」改訂案を発表した。日経平均は12日の「まぼろしのSQ値」20473円を突破し119円高の20547円で始まる。20500円台は6月8日以来。TOPIXは一気に1660台に乗せてスタート。「EU首脳がギリシャの新提案を評価」「ユンケル欧州委員長が週内合意を確信」「24日の財務相会合で承認を目指す」というロイター電が伝わり、序盤から金融関連を中心にどんどん値を切り上げ20600円突破。午前9時36分に20643円まで上昇するが、5月28日のザラ場ベースの年初来高値20655円まであと12円に迫ったところで足踏み。それでも10時ちょうどについに年初来高値突破。ドル円も123円台半ばまで円安が進む。勢いをそのままに10時12分に20700円を突破して20707円まで上がり、まるで「ギリシャ問題解決前祝い」のようなお祭りムード。20700円台は2000年4月13日以来。2013年の「5.23大暴落」の引き金を引いたHSBCの中国PMIは49.6で、前月から0.4ポイント改善し市場予測も上回ってお祭りの邪魔はせず、10時59分には20765円の高値をつける。快進撃の前場を終えて前引けは330円高の20758円。

 ドル円は123円台後半まで円安が進む。後場は上海の軟調を受けて前引けよりやや安く再開するが20700円台半ばの水準を堅持しながら小動き。一服して下落する気配もない。午後2時を回ったところで20700円近くまで下げるが、そこから終盤にかけて徐々に値を切り上げていく強い展開で、大引け間際には誰も想像しなかったような20800円台乗せ。終値は今年最大上昇幅の381円高の20809円で高値引け。2000年4月12日の「ITバブル期最高値」20833円まであと24円と間近に迫った。TOPIXもJPX日経400も高値引けで、お祭りのような1日を終えた。

 日経平均終値は381.23円高の20809.42円、TOPIX終値は+27.79の1676.40。売買高は28億株、売買代金は2兆8521億円でお祭りらしい商いのにぎわい。値上がり銘柄は1550、値下がり銘柄は254。33業種全てプラスで、上位は空運、その他製品、金属製品、保険、精密機器、証券、パルプ・紙など。下位は水産・農林、海運、建設、倉庫、小売、鉱業、石油・石炭などだった。

 24日の日経平均は4日続伸。NYダウは24ドル高で小幅続伸。NASDAQは連日の史上最高値更新。EUやIMFなど債権団は提案精査中だがギリシャ問題解決期待で高く始まる。耐久財受注は-1.8%で市場予測を下回ったが、新築住宅販売件数は+2.2%で市場予測を上回り約7年ぶりの高水準。一時マイナスになってもプラスに戻して終えた。パウエルFRB理事が「9月利上げの確率は半々」「12月にも利上げして年内2回」と発言し、ドル円は一時124円台にタッチして123円台後半。CME先物清算値は20890円と高かった。

 日経平均は79円高の20889円で始まり、2000年4月12日の「ITバブル期最高値」20833円を始値であっさり更新した。15秒後には20900円台にタッチ。TOPIXは1680台に乗せてスタートした。「ITバブル超え」後の序盤は前日の381円高の反動もあってプラス圏でも上値を抑えられ20800円台で推移する。しかし午前9時40分前後から再び20900円台に乗せ、さらに上昇。10時2分に20942円まで上がり、21000円の大台乗せも現実味を帯びてきた。前場の残りの時間は20910~20940円のレンジで動き、前引けは112円高の20922円だった。