【今週の振返り】上下に528円も振れて結局53円下落した週

2015年06月13日 20:31

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先進国の金利と同様に株価も不安定。黒田発言で、2円も円高が進む為替レートと連れだって大幅安。金利、為替、要人発言で大きく揺れた。

 8日の日経平均は小幅続落。前週末5日のNYダウは56ドル安。OPEC総会の結果は大方の予想通り減産せず12ヵ国で日量3000万バレルの生産目標を据え置き。注目のアメリカの5月の雇用統計は、失業率は5.5%で0.1ポイント悪化し市場予測より悪かったが、非農業部門雇用者数の伸びは5ヵ月ぶり大幅増加の28万人で市場予測を大きく上回った。良すぎたので「ゴルディロックス」といかず「利上げは9月」の見方が強まってNYダウ、S&P500は売られたが、NASDAQはプラス。アメリカの長期金利上昇でドル円は125円86銭という13年ぶりの水準まで円安が急進し、CME先物清算値は20580円。8日朝方のドル円レートは125円台後半だった。

 取引開始前に発表された1~3月期GDP改定値は年率換算+3.9%で速報値の+2.4%から大幅上方修正。市場予測も大きく上回った。4月の経常黒字は1兆3264億円で10カ月連続黒字。日経平均は76円高の20537円で始まる。TOPIXも1670台に乗せてスタート。ドイツ・エルマウでG7サミットが8日まで開催中だが、5日に次回開催地が三重県の志摩半島・賢島と決まり、そこが終点で関連リゾート施設も多い近鉄GHD<9041>は7%上昇で寄り付く。序盤の日経平均は20500円台で安定的に推移したが、午前10時前から下げ始めてマイナスに落ち、10時39分に20359円まで下落。TOPIXは1650台に、為替のドル円も円高に振れて125円台前半。高値警戒感と欧米の金利上昇が微妙にリスクオフを招いた模様。11時台は少し戻して前引けは42円安の20418円だった。

 後場は20450円と下げ幅を圧縮して再開。日銀のETF買い期待もあり1分後にプラスに浮上するが、前日終値をはさんでの小動きが続いて上値を追えず、TOPIXはプラスに浮上できない。ドル円125円台やGDP改定値の上方修正、上海市場の3日連騰を考えると意外な展開。午後2時に5月の景気ウォッチャー調査の結果が発表された。現状判断指数は0.3ポイント低下の53.3で6ヵ月ぶりの悪化。先行判断指数は0.3ポイント上昇の54.5で6ヵ月連続の改善。現状判断指数の悪化でいったん下げても2時台後半にはプラスにタッチ。しかし定着できない。プラスかマイナスか最後までわからなかったが、東京地方が梅雨入りしたこの日は結局-3円の小幅安で続落した。伊勢志摩サミット関連の三重交通GHD<3232>はストップ高比例配分になっていた。

 日経平均終値は3.71円安の20457.19円。TOPIX終値は-5.07の1661.99。売買高は21億株、売買代金は2兆2881億円。値上がり銘柄数は856、値下がり銘柄数は875。13のセクターが上昇しその上位は石油・石炭、その他金融、倉庫、海運、非鉄金属、ガラス・土石など。20のセクターが下落しその下位は電気・ガス、空運、サービス、精密機器、鉄鋼、医薬品、輸送用機器などだった。

 9日の日経平均は今年初の大幅3日続落。週明けのNYダウは雇用統計の良さを受けた利上げ早期化観測で終日軟調。82ドル安で17700ドル台まで下がり、主要3指数ともマイナス。イエレンFRB議長のお気に入り労働市場情勢指数(LMCI)も+1.3ポイントで3ヵ月ぶりに改善。ギリシャ問題は債権団が支援を2016年3月まで延長する話が出た。ドイツ・エルマウで開かれたG7サミットはロシアや中国に厳しい姿勢をみせて終了したが、出席中の要人中の要人、オバマ大統領がドル高けん制発言をしたと報じられドルが急落する場面があった。発言は後で否定されたが朝方の為替のドル円は124円台半ばまで円高進行。CME先物清算値は20280円だった。

 日経平均は164円安の20293円と3ケタ安で始まる。TOPIXも1650を割り込む2ケタ安でスタート。ドル円は深夜の124円台前半から円安方向に戻していたが、欧米の株価など為替以外の外部要因悪化が影響した。前場の日経平均は20300円をはさんでの小動きが延々と続き、20277~20332円の約55円の値幅。前引けは164円安の20292円だった。後場も前場同様20300円前後の変化の乏しい値動きが続いたが、午後2時から崩れて安値を更新しながらの下値追い。坂道を転がり落ちるように20200円、25日移動平均線(20104円)、20100円を割り込み、2時58分に20095円まで下落する。終値は360円安の20096円でTOPIXも大幅安に沈んだ。前日まで3月のSQ値19225円より1000円近く高い高値圏だったので先物のロールオーバーは順調に進むだろうという憶測をあざ笑うかのように、積み上がった裁定買い残が凶器と化す。「SQ週の火曜日」は、やはり鬼門だった。

 日経平均終値は360.89円安の20096.30円、TOPIX終値は-27.62の1634.37。売買高は23億株、売買代金は2兆6627億円。値上がり銘柄数は166、値下がり銘柄数は1652。プラスは水産・農林、石油・石炭、電気・ガスの3業種だけ。マイナス30業種の下位は保険、ゴム製品、非鉄金属、輸送用機器、パルプ・紙、鉄鋼、電気機器、銀行などだった。

 10日の日経平均は4日続落。NYダウは2.51ドルの小幅安で4日続落。NASDAQはマイナスだがS&P500は小幅高。ヨーロッパの株安を受け安く始まったが、イエレン議長お気に入りの雇用動向調査の4月の求人数が+26.7万人と14年3ヵ月ぶりの高水準で、5月の中小企業楽観指数も好転するなど指標は悪くなく、原油先物も反発したためプラスの時間が長かったものの、早期利上げ観測が上値を抑え、次週のFOMCも意識されて最後に息切れした。為替のドル円は一時124円を割り込んだが朝方は124円台前半。CME先物清算値は20080円だった。

 4月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は+3.8%で2ヵ月連続のプラス。5月の企業物価指数(PPI)は4月から横ばいの-2.1%でほぼ市場予測通り。以前から鬼門といわれた「SQ週の水曜日」で2万円の大台割れも覚悟の日経平均は30円高の20126円で始まる。TOPIXもプラス。しかしプラスはわずか9分間で午前9時24分に20053円まで下落。それでも2万円割れは起こさずV字回復してプラスに戻り、9時台のうちに20200円台タッチという乱高下。裁定解消売りと自律反発、押し目買いのせめぎあい。10時台には落ち着きプラス圏の20100円台後半で推移する。11時台は若干水準を上げて前引けは77円高の20173円だった。