夏が近づき、気温が30度を超える日も出てくるようになってきた今、街中でリクルートスーツに身を包んだ就活生の姿をよく見かける。半袖に短パンという気軽な格好でいる筆者に対して、暑いなかきちんとした身なりで汗をかきながら会社訪問などに向かう就活生を目にすると、なんだか非常に申し訳なくなる。そして、そんなことは就活生に対して何の効果もないとわかっていても、心の中で「頑張れ」とエールを送りたくなる。
就職活動に関する日本経済団体連合会(経団連)の新ルールでは、加盟企業の選考は8月1日からとされているが、就職情報のマイナビが10日に発表した「大学生就職内定率調査」によれば、6月末時点での内々定率は前月比18.4ポイント上昇して44.2%であり、経団連に非加盟の企業や外資系企業の内定を得て、早々に就職活動を終える学生が増えていることがわかった。また文系の内々定率は男子が43%、女子が39.5%だが、理系では男子が50.6%、女子が47.6%と、文系よりも理系の学生の方が高くなっている。
内々定を得た学生のうち、「現時点で入社意思の最も高い企業」を業種別に見てみると、「製造(建設除く)」が前月比4.7ポイント上昇の32.1%と最も高く、理系の学生を中心に、土木・建築や薬学系業界の企業の内々定を得て、想定よりも早く就職活動を終える学生が増えた。また従業員規模別に見てみると、「300人未満」が前月比1.6ポイント減少の30.0%で、「300~499人」が前月比1.4ポイント上昇の15.2%、「5000人以上」が前月比0.9ポイント上昇の10.1%となった。しかし今後の就職活動については、「活動継続」が70.5%(「不満なので継続」21.8%+「不満ではないが継続」48.7%)であり、内々定を得ていても引き続き就職活動を行う学生が多い状況がうかがえる。
そのほか、平均内々定保有社数は、前月比0.2社アップの1.6社で、複数の内々定を持つ学生の割合は前年同月比1.4ポイント上昇して37.0%となった。エリア別の上位3位を見てみると、「北陸」が54.1%、「四国」が50.3%、「甲信越」が48.0%となっている。(編集担当:滝川幸平)