雑誌「留学ジャーナル」の発行元で、学生や社会人の留学支援を手がける(株)留学ジャーナルは、「2015年夏休み留学動向」をまとめた。今夏の短期留学予定者は、前年比で5%増加する見込みで、過去10 年でみても最多を更新する予定だ。留学予定者の属性をみると、大学生は前年比3%と微増ながら、全体の5 割を占めている。2014年は勢いのあった高校生の増加率は1割に満たないものの、社会人は約2 割増加する見込みだ。これらを合わせた「留学予定者」は、過去最多を更新した昨年をさらに上回るという。
調査対象は、2015年5月31日までに、同年7~9月の短期留学プログラム(8 週間以内)の出発を申し込んだ学生と社会人。今年の申込者数は、2014年と比べ5%増加、2013年と比べても17%の大幅増で、過去10年で最多を更新した。申込者の半数(53%)は大学生が占めており、次いで高校生が36%、社会人が10%、その他1%となっている。
大学生に抜群の人気を誇るのは、夏休みを利用した「4週間」の短期留学だ。しかし、4週間の留学プランは、13~14 年と、年々減少傾向にある。今年は昨年と比べ5%も減ってしまった。マイナス分を大きくしているのは「大学4年生」で、前年比45ポイントも減少している。大学4年生は留学の期間にかかわらず、申込件数そのものが減っている。一方、大学1年~3 年生は、いずれも増加傾向。
4年生だけが「夏の短期留学」に消極的となった理由はおそらく、「就職活動の後ろ倒し」だろう。今年は経団連の指針変更で、就職活動の時期が大幅に後ろ倒しとなった。「面接」の解禁日は、大学4年生の「8月1日」。ちょうど、夏休みと重なる。一昨年頃までは、4年生の春には内定を得て、学生最後の夏休みを利用して海外へ出かける学生も多かったが、今年はその「最後の夏休み」が就職活動の時期になる。4年生が夏の留学を敬遠するのも仕方ないだろう。
今回の留学後の「長期留学」への希望を尋ね、「望まない」と答えた学生に理由を聞いたところ、「まとまった時間が取れない」が46%で、昨年の2位から順位を上げトップとなった。内定を得てから入社までの期間が短いことも、学生にとっては長期留学を避ける理由になっている可能性がある。(編集担当:北条かや)