フォルクスワーゲン(VW)ジャパンが8代目となる新型VWパサートを発売した。セダンの「パサート」とステーションワゴンの「パサート・ヴァリアント」の2車型だ。
VWパサートは1973年にデビューした同社の中核モデルで、過去7世代42 年間にわたってVWの主力 商品であり、ミッドサイズ・セダンのベストセラーカーだ。2013 年には、全世界おける累計販売台数が約110万台に達し、VW全ラインアップのなかで、VWゴルフと並ぶ国際的人気商品となっている。
8代目の新型パサートは、VWグループの新しいモジュラー戦略「MQB」に従って設計されたモデルで、本国ドイツを含むヨーロッパ地域では、昨年秋にデビュー。その高い技術的完成度と卓越した運動性能、さらに数々の予防安全システムに代表される安全運行支援システムが評価されて、欧州で権威のある欧州「カー・オブ・ザ・イヤー2015」を獲得した。エクステリア、インテリアはもちろん、シャシーからボディ骨格までMQBの原則に則って全面的に再設計された。また、先代発売時に話題を呼んだダウンサイジングエンジン「1.4リッターTSI」も新開発のMQB ユニットとなり、運動性能性能と省燃費性能をさらに改善した。
写真で見ても伸びやかなボディを持つセダンのボディサイズは全長×全幅×全高4785×1830×1465-1470mm。ステーションワゴンたるヴァリアントの全長×全幅×全高は、4775×1830×1485-1510mm。ホイールベースはともに2790mmという堂々たるボディを持つ。国産車でもグローバルモデルであるホンダ・アコードやスバル・レガシィ、トヨタ・カムリなどと同等で、日本国内で使う場合、クラウンなどと比較すると全長は100mmほど短いが、全幅は30mm広い安定感のあるプロポーションを持つ。
国内に投入する新型パサートの搭載エンジンは新世代1.4リッター直列4気筒直ターボエンジン。最高出力150ps(110kW)/5000-6000rpm、最大トルク25.5kg.m(250Nm)/1500-3500rpm。おおむね2.5リッタークラスに匹敵するアウトプットを発揮する。このエンジンは、軽負荷走行時に4気筒のシリンダーのうち2気筒を停止させるACT(アクティブ・シリンダー・マネージメント)、アイドリングストップ、エネルギー回生ブレーキシステムなどとトランスミッションにデュアルクラッチ式2ペダル7速DSGを組み合わせた“Blue Motion Technology”を全車に採用 、パサートとして過去最高燃費20.4km/リッター(JC08モード燃費)を達成した。
全方位型アドバンスド・セーフティ・システムも新型のセリングポイントだ。追突防止のためのプリクラッシュブレーキ・システム、安全な車線移行のためのレーンチェンジアシスト・システム、後退時の事故防止のためのリヤトラフィックアラートを全車に標準装備する。結果、同車乗員は、あらゆる方向からの危険から保護されることとなった。
全車に標準装備するエアバッグは、新たにニーエアバッグを追加し、合計9つ。さらに、そのエアバッグ効果を最適に制御するプロアクティブ・オキュパント・プロテクションと呼ばれるVW独自のシステムを全車に装備した。また、助手席のフロントエアバッグは、水素を使い環境性能を高めた、国内初認可の新しいタイプのインフレーターを採用した。
車両価格はセダンが329.0万円~460.98万円。ヴァリアントが348.99万円~480.97万円。今後、追加モデルとしてクリーンディーゼル搭載車とプラグインハイブリッド車を来年にも発売する予定だ。(編集担当:吉田恒)