イオン、テスコジャパン株の50%を取得

2012年06月19日 11:00

 イオン<8267>が、テスコジャパンの発行済株式の50%をテスコより取得することについて、英国のテスコ社と合意したと発表。イオンの都市シフトが現実的に動き出した。

 イオンは、2011年を起点とするイオングループ中期経営計画(2011年度~2013年度)において、戦略の柱の一つに大都市を重点エリアと位置づけ新たな成長機会の獲得を目指す「都市シフト」を掲げ、首都圏における事業展開を積極的に推進していた。そうした中、都市部に大型商業施設を持つパルコ<8251>の株式を取得し提携を進めていたものの、大丸や松坂屋などを傘下に持つJ.フロント リテイリング<3086>がパルコの株式33.2%を森トラスト株式会社から取得し、筆頭株主に。こうした状況を受けたイオンによる「都市シフト」をめぐる動向に注目が集まっていた。

 今回イオンが株式取得を発表したテスコジャパンは、加工食品の卸売業者として長い歴史を有し、1994年に小売事業に参入。現在は首都圏を中心に「テスコ」25店舗、「テスコエクスプレス」6店舗、「つるかめ」72店舗、「ふーどれっと」12店舗、他2店舗、計117店舗の都市型小型スーパーマーケット業態を運営しているものの、昨年8月に日本からの撤退を発表していた。

 パルコとは異なる都市型小型スーパーマーケットの買収による都市シフトであるが、着実にその歩みを進めている。今回の買収により、パルコを巡る動向にどう影響が現れるのか、今後も注目が集まりそうである。(編集担当:井畑学)