安倍晋三総理は安保法案について14日の参院安保特別委員会での答弁で「(安保法案に国民の)支持が広がっていないのは事実だが、成立した暁には、時が経ていく中で間違いなく理解が広がっていくと考える」と現況で理解が広がっていなくても、後に理解されていくと、今国会での安保法案採決、成立を目指す姿勢を示した。
民主党の北澤俊美元防衛大臣(党安全保障総合調査会長)が、安保法案が国会に提出されて以後のさまざまな世論調査で、安保法案に「反対」60%、「賛成」30%、「今国会での成立反対」80%というデータがあると、今国会での法案成立に反対する声が圧倒的との指摘をしたうえで「国政を行っていく上で民意は極めて重要であり第一義的な要件だ」と総理の対応を質したのに答えた。
また、北澤元防衛大臣は「自衛隊員の諸君が命がけで国の守りに立ち向かうことができるのは、自衛隊が法律と国民の理解のうえに存在していることを隊員が誇りとしているからだ」と述べ「総理は自衛隊に対し、今回の安保法制のような国民の理解が得られていない、そして法的安定性がない法律に従って命を懸けろと命令しようとしているように見えてならない。最高指揮官として誠実であらねばならない」と警告した。
北澤元防衛大臣は「憲法違反のものは絶対にダメだがPKO法や周辺事態法については十分に議論ができる素地がある」と語り「いったん安保法案は廃案にして与野党で協議をする、話がまとまらなければ衆院を解散し国民に信を問う、2つの道のどちらかを選ぶべきだ」と提起した。(編集担当:森高龍二)