ICT総研はiPhoneユーザーに対象を絞った、携帯電話キャリアのブランドイメージに関する調査結果をまとめた。
携帯電話キャリアは、NTTドコモ<9437>、au(KDDI)<9433>、ソフトバンク<9984>の大手3キャリアがそれぞれiPhoneをラインナップし、通話定額や通信容量分け合いなど料金プランの面で横並びの状態となっている。
携帯電話などの無線通信インフラ(ケータイやスマホに電波を送るための基盤のこと)を他社から借り受けてサービスを提供するMVNO事業者が契約者数を着々と伸ばしている中、ネットワーク面やブランド力がMVNO事業者との差別化ポイントであると言えるだろう。
今回の調査では、大手3キャリアの「ブランド力」を可視化するべく、「ブランドイメージ」、「キャリアのイメージ」について、ユーザーアンケートを実施した。調査対象は、NTTドコモ、au、ソフトバンクのiPhone利用者1000人ずつ、合計3000人で9月初旬に実施した。
それによると、auが、総合的なブランドイメージ61.1.ポイントでトップだ。CMの印象などで高い評価を得ている。auは、「親しみを持てる」(59.3ポイント)、「今、勢いがある」(59.4ポイント)、「デザイン・センスが良い」(55.2ポイント)、「料金プランがわかりやすい」(40.6ポイント)、「CMが印象に残っている」(77.5ポイント)でそれぞれトップとなっている。
特に「CMが印象に残っている」は他の項目と比べてもポイントが突出して高い。auの三太郎のCMは、多くの視聴者の反響を呼んでおり、これが「総合的なブランドイメージ」のアップに大きく寄与していると考えていいだろう。
NTTドコモは「信頼感」やショップの対応などで好評だが、ブランドイメージは次点(58.3ポイント)だった。「信頼できる」(64.8ポイント)、「お客さまセンターの対応が良い」(55.6ポイント)、「専売ショップのお客様対応が良い」(55.5ポイント)でそれぞれトップとなった。信頼性や顧客対応は他社と比べて良いイメージを持たれている。
一方で、「今、勢いがある」、「面白いことをやっている」、「CMが印象に残っている」などで他社に差を付けられている。信頼性はあるものの、変革のなさや印象面でのもの足りなさがあると見られていることが、「総合的なブランドイメージ」に影響したと考えられるだろう。
ソフトバンクは、「総合的なブランドイメージ」が54.9ポイントだった。しかし「面白いことをやっている」(59.0ポイント)がトップ。「今、勢いがある」(59.1ポイント)、「CMが印象に残っている」(73.0ポイント)などの項目でも高い評価を得た。一方、「信頼できる」、「専売ショップのお客様対応が良い」などの項目では、他社に離されている。
「ペッパー」のような新しい取り組みや、「白戸家」のCMに代表される訴求力は評価されているが、信頼性や顧客対応の面で他社に後れを取っていると見られていることが、「総合的なブランドイメージ」に響いたものと思われる。
「料金面の安さ」を武器にMVNO事業者が契約者数を拡大している中で、「安心感」、「信頼感」、「サポートの良さ」などを背景としたブランドイメージの高さが大手キャリアにはあり、このイメージをさらに盤石なものとするには、今後もサービスの向上に取り組む必要があるだろう。(編集担当:久保田雄城)