安保法案成立に経団連会長が歓迎のコメント

2015年09月19日 13:35

防衛装備品の海外移転を国家戦略として推進すべきと武器輸出を促進する提言を政府に行っている日本経済団体連合会の榊原定征会長は、19日、安保法案成立に「国民の生命や財産を守ることは国の最も重要な責務である。わが国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増している。このような中で、国会において長時間にわたり真剣な議論が行われ、安全保障関連法案が成立したことを歓迎したい」などとしたコメントを発表した。

 合わせて「今後、わが国が積極的平和主義のもとで国際社会の平和と繁栄にこれまで以上に貢献していくことを望む」とした。

 経団連は今月、10月1日に防衛装備庁が発足するのを前に「産業界の考えを反映させるためにまとめた」として「防衛産業政策の実行に向けた提言」を行った。

 提言は「自衛隊の活動を支える防衛産業の役割は一層高まり、その基盤の維持・強化には国際競争力や事業継続性等の確保の観点を含めた中長期的な展望が必要である」と軍需産業の役割拡大と需要拡大を見越し、「わが国の防衛関連企業には、防衛分野(軍需分野)の国際市場における実績がほとんどない。各国政府間との防衛装備品協定等の枠組みの下、地域安全保障のあり方を含め、相手国の状況に応じた官民による装備品や技術の移転の手続を含む仕組みが必要である」とし「防衛装備品の海外移転を国家戦略として推進すべき」などとしている。

 今後、政府と軍需産業界のつながり強化が予想され、政府の経済財政諮問会議の民間議員の榊原会長と安倍政権のタッグによる「軍事大国」の道への危険性が懸念される。生活の党の山本太郎共同代表も危惧を示している。武器輸出については国会の関与がこれまで以上に機能強化されなければならない。(編集担当:森高龍二)