東芝<6502>の子会社である東芝ライフスタイルは、中国・東南アジア諸国連合(ASEAN)地域での白物家電事業の販売戦略・体制を見直すと発表。同社の販売子会社2社を清算し、中国「創維集団(スカイワース)」と10月から提携し、冷蔵庫、洗濯機、掃除機などの中国での販売を委託する。東芝製品をスカイワースの販路に乗せて販売してもらうことで、競争力や収益力強化の一環として実施する。経営再建を目指す東芝だが、国内外でリストラが活発化し始めた。
24日、東芝ライフスタイルは中国現地の販売子会社2社を精算し、家電大手のスカイワークスに販売を委託すると発表。これは業績悪化が著しい白物家電事業の立て直し策の一環であり、スカイワークスの販路を活用することで売り上げ拡大をはかりたい考えだ。さらに現在、中国で白物家電を製造している他の子会社2社については、スカイワースからそれぞれ5%の出資を受ける。低コストで家電を生産するスカイワークスのノウハウを取り入れて、価格競争力を高める考えだ。
10月より、冷蔵庫、洗濯機、掃除機の白物家電の販売・製造においてスカイワークスと提携し、販売権を同社に付与した上で、販売子会社の「東芝家用電器販売(南海)」と「東芝産品服務(上海)」については精算手続きを進める。そして冷蔵庫、洗濯機を製造する「東芝家電製造(南海)」と、掃除機を製造する「東芝家電製造(深セン)」についてはスカイワースからの出資を受け、日本向け製品の競争力を高める。
ASEAN地域においては、シンガポールの販売子会社である「東芝コンシューママーケティングシンガポール」に置いていたマーケティング統括機能および販売機能を、タイの製造子会社である東芝家電製造タイ社へ7月に移管。効率化と固定費削減をはかっている。
東芝の室町正志社長は14日の記者会見において、白物家電の海外製造拠点は集約が必要との見解を示し、赤字事業の構造改革を推し進める方針を表明していた。(編集担当:滝川幸平)