ホンダは東京・有明の東京ビッグサイトで開催する「第44回東京モーターショー」プレスデーsh(10月28日)に新型「ホンダNSX」の日本仕様モデルを発表する。
排気量3.5リッターV型6気筒直噴ツインターボエンジンをリアミッドシップに縦置き搭載し、3個のモーターで構成するハイブリッドユニットを搭載したAWD(オールホイール・ドライブ/つまり四駆)スーパースポーツである。
新型NSXは、2個の前輪ツインモーター・ユニットがトルクベクタリングを効かせてAWDと共にコーナリングをフォローする。後輪を駆動する最高出力450ps、最大トルク55.0kg.mと言われるV6ツインターボエンジンと駆動モーターを組み合わせたシステム総合出力は550ps以上だといわれる。組み合わせるトランスミッションは、9速DCT(デュアルクラッチ・トランスミッション)だ。
初代NSXは総アルミニウム合金製モノコックボディだったが、今回の新型NSXのボディも、通常の乗用車のような鋼板によるモノコック構造ではない。アルミニウム合金を多用しつつ超高強度鋼を集中的に使い剛性を高めた複合素材のレーシングカーなどが使うスペースフレーム構造をホンダ車として初採用する。
設計段階では初代と同じオールアルミ製モノコック、最新のCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製モノコック、スペースフレーム構造の3種類の構造体を比較検討し、最終的に軽量であり剛性が高く、ハイブリッドパワートレーンとAWDシステムを搭載しやすいマルチマテリアルのスペースフレーム構造とした。
ボディサイズは全長×全幅×全高4470×1940×1215mm、ホイールベースは2630mm。かつてのNSXよりも全幅が130mmも広くなったが、全長は45mmほどの延長にとどまった。
新型NSXは剛性を高めるためにボディ重要部分にアブレーション鋳造という新技術を採用することで、クラッシュブルゾーンの設計を容易したという。アブレーション鋳造技術は、従来の鋳造法に急速冷却技術を組み合わせた工法で、エネルギー吸収特性を持つ押出材料と組み合わせることで、剛性の高いフレーム構造が実現可能できた。従来の鋳造方法は高い剛性が得られるものの、反面で脆さを内包していた。アブレーション鋳造は“脆さ”という課題を解決した工法である。
サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーン式。サスアームなどは、すべてアルミ製となる。装着するタイヤは、前245/35R19、後295/30R20となる予定だ。それぞれのホイール内に収まるブレーキシステムはブレンボ製となる。ブレーキディスクはカーボンセラミック製となることが決まっている。
市販開始は来春、価格は1800万円ほどと予想される。(編集担当:吉田恒)