今年の就職活動も終盤に入った。まだ就活を続けている学生もいるが、就活が長期化すればするほど、気になるのは「費用」だ。特に交通費の負担は大きい。リクルートが運営するニュースサイト「就職ジャーナル」が、内定を得て就活を終えた短大2年生、大学4年生、大学院2年生に、今年3月に就活をスタートしてからかかった交通費の額を尋ねたところ、全体の平均は4万8633円だった。内訳を見ると、過半数の53.6%は1万円以下で収まっているが、10万円を超えた就活生も18.5%と5人に1人。交通費は2極分化している。最も多くかかった学生のエリアは「九州地方」が目立ち、交通費だけで50万円ほどがかかったケースも珍しくない。
学生の居住地域別に見ると、首都圏は3万4957円、東海圏は4万1948円と、平均より少なかった。一方、関西圏では5万3798円、そのほかの地域では6万7273円と、全体平均を上回った。
地方の学生からは、「航空チケットと宿泊費セットの格安プランを探した(北海道在住/化学メーカー内定/男子)」、「夜行バスで移動、宿泊にはカプセルホテル、ネットカフェを使う(石川県在住/精密機器メーカー内定/男子)」など、交通費をできるだけ抑える工夫をした、とのコメントが目立った。
都内在住とみられる学生からも、「自転車で行けるところは自転車で行った(小売会社内定/女子)」「1駅分なら歩く。カフェには入らず、ファストフード店の100円コーヒーで空き時間をつぶす(銀行内定/法学部/男子)」など、とにかく節約に努めたという声が寄せられている。
就活にかかったほかの費用について尋ねたところ、「スーツ代」「靴代」「バッグ代」「シャツ・ブラウス代」「ネクタイ代」のうち、最も高かったのはスーツ代で、平均額は4万円近くに上った。「靴代」もほぼ1万円となり、「バッグ代」「シャツ・ブラウス代」が8000円前後となった。交通費以外にかかった費用のトータルの平均額は3万8734円で、男子学生の平均額4万7079円に対して、女子学生は3万3337円と、全体的に男子学生の出費が多い。これから就活を始める学生たちにとっては、参考になるデータかもしれない。(編集担当:北条かや)