日本ホテル宿泊予約ウェブサイト、価格訴求ではもう限界か

2012年12月07日 11:00

 年末年始の休暇を前に、先日もHISが海外旅行の渡航先に関する調査結果を発表し、渡航先1位はハワイで、2008年以降1位をキープしていたソウルを上回ったと報じられるなど、旅行に関する話題が多く聞かれるようになっている。こうした中、今度はJ.D.パワーが日本ホテル宿泊予約ウェブサイトの顧客満足度調査結果を発表した。

 国内ホテルの宿泊予約ウェブサイトに関する顧客満足度を測定する本調査は、今回で5回目の実施となる。測定にあたっては、総合満足度に対する影響度が高い順に、「予約/変更手続き(49%)」「宿泊に関する情報(27%)」「サイトの使い勝手(24%)」(カッコ内は総合満足度に対する影響度)の三つを評価。1000ポイント満点で顧客満足度スコアが算出されている。

 結果は、一休が運営する「一休.Com」が、ランキング対象となった6サイトのうち、総合満足度スコア726ポイントで、第1位となった。「一休.Com」は、全ファクターにおいてトップ評価を得たという。第2位となったのはリクルートの「じゃらんnet」で703ポイント、第3位は楽天の「楽天トラベル」が681ポイントとなっている。

 利用動向としては、安い宿泊料金や宿泊プランが、予約ウェブサイトの魅力であり顧客を惹きつけているものの、これら要因のみで予約ウェブサイトを利用する顧客のサイトへの満足度は低水準に留まる結果となった。また、満足度の低さに伴い、そのウェブサイトを「また利用したい」という再利用意向も低く、価格訴求のみでは予約ウェブサイトのロイヤルティにはつながっていない様子が窺えるとのこと。

 本調査の結果において、宿泊予約ウェブサイトを利用する顧客の8割は1年間に2つ以上のウェブサイトを利用しており、半数の顧客は予約に至るまでに他の予約ウェブサイトやホテルのウェブサイトなどと比較しており、利用サイトが固定化しているとは言えない状況であるという。市場が拡大しつつあるとはいえ価格訴求が決定打とならない中、各サイトはどういったコンテンツで顧客の定着を図っていくのか、今後の動向に注目したい。