法廷闘争に、政府が地元理解得る努力放棄と批判

2015年11月18日 13:02

 社会民主党の吉川元幹事長代行は17日、翁長雄志沖縄県知事の辺野古沿岸部埋め立て承認取り消し処分を撤回する代執行に向けた行政訴訟を国土交通大臣が福岡高裁那覇支部に起こしたことを受け「安倍政権の側から地元の理解を得る努力を放棄した」と強く批判した。

 談話は「政府は代執行手続きとは別に、翁長知事の埋め立て承認取消処分を一時執行停止する決定を出した。沖縄県はこの決定を不服として、総務省の第三者機関・国地方係争処理委員会に審査を申し出ている。私人として行政不服審査法を濫用し、埋め立て承認取り消しの執行停止と処分無効の申し立てをしながら、他方で国家権力として代執行手続きを進めるダブルスタンダードは許されない」と問題提起。

 政府が移設先隣接3地区に振興費を直接支出する方針を決めていることについても「米軍統治下で不満を抱く県民を懐柔する手段としても使われ、統治に好意的であるかどうかが支給の基準となった弁務官資金を彷彿とさせる」と批判。「法的根拠もあいまいなまま、恣意的に町内会と同じような任意の組織に国が県や市など自治体の頭越しに事業費を支出するのは地方自治をないがしろにするものであるといわざるをえない」とした。

 また「地方自治や住民の民意を軽んじながら、他方で地方自治法による代執行を強行する安倍政権のなりふり構わぬ姿勢は極めて問題である」としている。(編集担当:森高龍二)