コミュニケーションロボットによる高齢者向けカラオケ支援とは 第一興商とNTTが実証実験

2015年11月29日 13:49

 第一興商<7548>と、日本電信電(NTT)<9432>は、7月より開始した共同検討の一環として、第一興商が展開する生活総合機能改善機器「DKエルダーシステム」とNTTの研究所が研究開発を進めるインタラクション技術等を活用した「コミュニケーションロボット」の連携によって、介護施設等における高齢者のカラオケや介護予防の取り組みを支援する実証実験を行うと発表した。

 第一興商では、「うたと音楽」を活用した介護予防や健康増進への取り組みを積極化しており、全国の介護施設や公民館等およそ1万8,000カ所に導入されている生活総合機能改善機器「DKエルダーシステム」の普及促進を図っているという。

 一方、NTTは、クラウドやセキュリティ、各種センサー等の先進的な研究開発成果を有し、健康・医療・介護の共通基盤を中心としたICT環境の整備による疾病予防や医療介護の効率化・質の向上を目指して地域医療連携や地域包括ケアの実証トライアルや実導入に取り組んでまきた。

 そこで、両社は介護予防等の高齢者向けサービス分野や、カラオケ等のエンターテイメント分野において、7月より共同検討を行っており、その第一弾として、12月に、小型インテリジェントマイクを採用した「デンモクiDS2」を発売する予定。その共同検討の第二弾として、介護施設や自治体の公民館等における新たなサービスの実用性ならび有効性の検証を目的として、コミュニケーションロボットによって高齢者のカラオケや介護予防の取り組みを支援する実証実験を行う。

 実験概要は、介護施設や公民館等で行われる「DKエルダーシステム」を利用した音楽健康セッションにおいて、「コミュニケーションロボット」がセンサー検出や音声対話によりユーザ状況にあった選曲を支援したり、参加者やスタッフとコミュニケーションを図る。そして、音楽健康セッションをより楽しく充実させ、介護予防につながるよう支援を行う。NTTが研究開発を進める「R-env:連舞」によって、簡単に、ロボットやカラオケ機器、モニター、デジタルカメラ、バイタルセンサーなどを連携でき、対話内容や選曲方法等のシナリオを、レクリエーションの目的や利用者の要介護度等に応じて、介護施設等のスタッフが自由に追加・修正できることを目指す。

 実験期間は、2015年11月25日~2016年3月31日の予定。今回の実証実験で得られた技術的な課題をもとに、実用化に向けて研究開発を進めるとともに、2016年度中に新たなサービスの提供を目指し、ビジネス化に向けた検討を進める方針だ。(編集担当:慶尾六郎)