今後のコミュニケーションロボットの購入意向については、「1年以内に購入したい」が1.6%、「1年以上先になるが、購入を検討したい」が13.1%、「購入したくない」が85.2%となり、一般消費者の購入意向が現時点では必ずしも高くない結果となった
日常生活において、人間とコミュニケーションすることにより、話し相手や情報提供などのサービスを行うロボットを「コミュニケーションロボット」という。どの認知度はソフトバンクロボティクスが企画・開発を行っている「Pepper」が最も高いこと、そして、市場は今後拡大することがわかった。
MM総研は、コミュニケーションロボットの一般消費者意向に関する調査結果を発表した。この調査では、工場などで特定の動作を繰り返す産業用ロボットは含んでいない。
まず、一般消費者に対して、コミュニケーションロボットの認知度について質問した結果、「概ね理解している」が18.0%、「言葉を見たり聞いたりした程度」が50.4%、「わからない」が31.6%となり、認知している一般消費者は68.4%という結果になった。認知の程度に差はあるものの、7割弱の一般消費者がコミュニケーションロボットを認知しているという結果になった。
次に、主要な製品の認知度について複数回答で質問したところ、最も認知度が高かったコミュニケーションロボットはソフトバンクロボティクスが企画・開発を行っている「Pepper」(ペッパー)で、認知度は41.0%であった。次が、ロボガレージが企画・開発した「Robi」(ロビ)の16.2%、3番目はタカラトミーの「Robi jr.」(ロビジュニア)7.2%の順となった。その一方で、いずれのコミュニケ―ションロボットも認知していないが49.7%となった。
今後のコミュニケーションロボットの購入意向については、「1年以内に購入したい」が1.6%、「1年以上先になるが、購入を検討したい」が13.1%、「購入したくない」が85.2%となり、一般消費者の購入意向が現時点では必ずしも高くない結果となった。
また、今後コミュニケーションロボットを購入すると仮定して、支払って良いと思う金額について質問した結果、「10万円未満」が全体の63.3%を占め、「10万円以上50万円未満」は10.5%、「50万円以上」が0.8%、「金額に関わらず購入したくない」が25.3%となった。
そして、求める形状を質問したところ、最も求められている形状は「人型(頭・胴体・2本の手・2本の足で構成されている)」で33.1%、次が、「動物の形状(犬や猫など)」で22.5%、3番目が「人型に近いが足は台(頭・胴体・2本の手・これを支える台で構成)」で19.2%という結果になった。
求める機能について複数回答で質問したところ、最も求められている機能は「人間の声を認識できる」で56.8%、次が「人間と対話することができる」で53.5%、3番目が「学習能力がある」で50.2%となった。コミュニケーションロボットの基本的な機能である音声認識や対話エンジンを備えていることを条件に挙げた一般消費者が多いという結果になった。
同社では、調査を通じて、コミュニケーションロボットの認知度は7割、個別のコミュニケーションロボットの認知度は約半数と認知度は高まっている一方で、購入意向は14.7%に留まっており、一般消費者に対してコミュニケーションロボットを充分に訴求できていないという実態が浮き彫りになったとしている。
そして、現時点では、法人や研究機関向けのみで一般消費者向けに販売を行っていない製品や、一般消費者向けの発売に至ってない開発段階の製品もあるため、今後、参入企業の増加や製品ラインナップの拡充に伴って市場が拡大していくと予測している。(編集担当:慶尾六郎)