電力自由化に伴い消費者の選択の権利や再生可能エネルギーを普及させるためには「電源構成表示が必要だ」として、民主党は29日までに「電源構成表示を義務化するよう」林幹雄経済産業大臣に要請した。
林大臣は「専門家による議論がされているところだ」とし「ユーザーとしては電源構成を知りたい人もいるだろうが、小さな小売業者のコスト負担の問題もある。要請の趣旨を伝え、しっかり議論するよう指示したい」と答えた。
民主党の直嶋正行エネルギー環境総合調査会長は「電力の小売り全面自由化という変革期でもあり、表示を義務化するという政治の決断が極めて重要だ」と電源構成の開示を義務化するよう強く求めた。今後も実現へ要請を続けるとしている。
要請文では「ドイツでは電源構成や環境影響に関する情報開示が義務化され、固定価格買い取り制度を利用した場合にはそのことを明示した上で表示することとなっている。一方、(日本においては)先日決定された小売り電気事業の登録の申請等に関する省令では電源構成や環境影響に関する情報開示義務化についての規定は置かれていない」と提起。
そのうえで「電源構成等について十分な情報提供がなされなければ、消費者の知る権利・選択の権利が阻害されることになり、市場に歪みが生じる。再生可能エネルギーを最大限導入するということであれば、再生可能エネルギー普及のために電源構成の客観的表示や環境負荷の客観的な表示を義務化し、消費者への情報提供を行うことが本来の姿」と表示の義務化を求めた。(編集担当:森高龍二)