みずほ情報総研株式会社、2015年2月10日火曜日から2015年2月23日月曜日の期間、全国の20歳以上の男女3,500名を対象に「電力自由化に向けての消費者の電力小売企業・サービス選択基準に関する意識調査」を実施、8日にその結果を発表した。消費者は電力供給会社を選択する際、電力供給の安定性や電気料金の安さを重視する傾向にあり、特に8割超の消費者が、電気料金が安くなるのであれば電力供給会社を乗り換えたいと考えていることが分かった
それによると、電力供給会社を選択する場合に、電力供給の安定性を重視する人が約8割、電気料金の安さを重視する人が約7割以上を占めている。「安定性」を重視する人が多い一方、電力供給会社の規模を重視する人は5割程度であり、必ずしも大手企業であることを重視する人が多いわけではないとしている。
また、地方自治体、エネルギー関連事業者、他地域の電力事業者、都市ガス会社で購入検討を「是非検討したい・してもよい」と考えている人が約5割と多かった。一方、家電メーカーや携帯電話通信会社、家電量販店、自動車メーカー、食品小売など、現在エネルギーと関連性が少ない業界に対しては、購入検討を「是非検討したい・してもよい」と考えている人が約2~4割に留まり、どちらともいえない人が約5割、消極的な人が2~3割と比較的多くなっているとしている。
さらに、電気料金の条件と乗り換えの意思を聞いたところ、電気料金に関わらず乗り換えたくない人は10%いるが、83%は「電気料金が現在より低ければ乗り換えたい」と回答したという。5%の料金低減で全体の19%(5人に1人)が、10%で全体の33%(3人に1人)が、20%で全体の66%(3人に2人)が乗り換えを検討すると回答した。
そして、再生可能エネルギーのみを利用している電力を、電気料金が現在より高くなっても利用したい人は5%であった。原子力を利用している電力は、電気料金が現在と同等または電気料金が低くなれば利用したい人は67%。利用したくないと考える人は32%と、化石燃料や再生可能エネルギー電源よりも多い。原子力でも価格が安ければ利用すると考えている人が大半となっている。一方利用したくない人も一定数存在しており、そのような人に向けて原子力以外の電源を提供することは差別化となる可能性があるとしている。
電力供給会社が提供する電力供給以外のサービスを利用したいかどうかを聞いたところ、電気料金が現在と同程度であれば利用したい人が最多の6割超であった。一方で、高くなっても利用したいという人は1割未満であったという。一般的に電力供給以外のサービス提供による増収は狙いにくいと見られる。例えば、これらのサービスを無償や低価格で提供し、他社との差別化を図るほうが有効的な可能性があるとしている。(編集担当:慶尾六郎)