今週、12月第2週(12月7~11日)は5日間の取引。金曜日の11日は先物もオプションも清算値を算出する「メジャーSQ」の日。SQ週なので8日の火曜日と9日の水曜日は「鬼門」で、とりあえず要警戒。日経平均先物12月限の3月限へのロールオーバーがうまく進めば、鬼も手加減してくれるが。
世界の主要株式市場の休場日は、7日にタイが5日の祝日「国王誕生日/父の日」の振替休日で休場する。現在のプミポン国王(ラーマ9世)は1927年12月5日生まれで、88歳になる。医師だった父親(王子)のハーバード大学留学中にアメリカで生まれた。10日にタイが「憲法記念日」の祝日で休場する。立憲革命で最初のタイ王国憲法が1932年のこの日、発布された。その後、2007年までに政変で何度も停止されたり、改正されたりした。現在の軍事政権が提出した新憲法案は今年9月に議会で否決されている。
国内の経済指標は8日のGDP改定値、景気ウォッチャー調査、9日の機械受注、10日の法人企業景気予測調査と、株価への影響度が大きい指標が並ぶ。市場予測よりも悪く景気の腰折れが出ていれば12月の日銀会合での追加緩和期待が高まる。
7日は10月の景気動向指数速報値、8日は10月の国際収支、11月上・中旬の貿易統計、7~9月期の国内総生産(GDP)改定値、11月の景気ウォッチャー調査、9日は10月の機械受注、11月のマネーストック、特定サービス産業動態統計速報、10日は10~12月期の法人企業景気予測調査、11月の企業物価指数、東京都心部オフィス空室率、10月の産業機械受注額が、それぞれ発表される。
7日に黒田日銀総裁が東京都内で、佐藤日銀審議委員が奈良市で講演を行う。9日にトヨタ<7203>が新型「プリウス」の発表会を行う。10日にエルニーニョ監視速報が発表される。この冬はエルニーニョが発生して暖冬になるという予報がある。11日は「メジャーSQ算出日」。安倍首相が11~13日にインドを訪問する。
主要銘柄の決算発表は10月期本決算の企業が少数ながらある。7日は学情<2301>、OSG<6757>、ピジョン<7956>、8日はイーブック<3658>、シーイーシー<9692>、丹青社<9743>、9日は東建コーポーレーション<1766>、佐藤食品工業<2923>、アゼアス<3161>、カナモト<9678>、10日は積水ハウス<1928>、アスカネット<2438>、テンポスバスターズ<2751>、菊池製作所<3444>、gumi<3903>、11日はくらコーポレーション<2695>、丸善CHIHD<3159>、モルフォ<3653>、エイチーム<3662>、フリービット<3843>、東京ドーム<9681>。
新規IPOは今週2件。9月8日以来、久々の東証2部上場がある。12月は毎年、新規IPOの数が多い新人デビューの月。名証セントレックスも含めて19件が予定されている。来週第3週は7件、第4週は毎日2件ずつ8件ある。18日には3件が集中する。
9日にラクス<3923>が東証マザーズに新規上場する。大阪市が本社で、問合せメール共有・一元管理システム等のクラウド方式による開発・販売、ITエンジニアの派遣などを行う。公開価格は1080円。IPO人気があるIT関連銘柄。
11日にランドコンピュータ<3924>が東証2部に新規上場する。コンピュータシステムのコンサルティング、企画、設計、ソフトウェアの販売、運用、保守管理などを手がけるシステムベンダー。公開価格は1760円。業界では大手だが企業規模は第1部には足りなかったというところ。業績は安定性がある。
海外の経済指標、イベントは11日のアメリカの小売売上高が最も重要。
7日はアメリカの11月の労働市場情勢指数(LMCI)、10月の消費者信用残高、8日は中国の11月の貿易収支、ユーロ圏の7~9月期の域内総生産(GDP)改定値、9日は中国の11月の消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(工業出荷価格指数/PPI)、アメリカの卸売在庫、卸売売上高、10日はアメリカの11月の輸出入物価指数、財政収支、11日はアメリカの11月の小売売上高、生産者物価指数(PPI)、10月の企業在庫、12月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値、12日は中国の11月の小売売上高、鉱工業生産、都市部固定資産投資が、それぞれ発表される。
7日にブリュッセルでユーロ圏財務相会合が開かれる。8日にブリュッセルでEU財務相理事会が開かれる。10日にイングランド銀行(BOE)の金融政策委員会が開かれ、政策金利など結果が発表される。ニュージーランド、韓国で政策金利が発表される。ノーベル賞の授賞式がストックホルムとオスロで開かれ、日本人では医学・生理学賞の大村智氏、物理学賞の梶田隆章氏の2人が受ける。
アメリカ主要企業の決算は8日にトール・ブラザーズ、9日にコストコホールセールが発表する予定。
前週後半、大きなイベントが2つあった。3日のECB理事会で決まった金融政策は政策金利も債券買い入れ総額も据え置きで「中途半端」のそしりを受け、「追加緩和を行う」と以前から何度も示唆していたドラギ総裁はまるで裏切り者扱い。「ドラギ・ショック」でヨーロッパもアメリカも日本も株価指数は大幅安になり、世界同時株安の様相を呈した。