今週、11月第3週(16~20日)は5日間の取引。18~19日は日銀会合が開かれる。もし19日に追加緩和を発表したら、その日の午前0時に解禁されるワインの新酒にちなんで「ボージョレー・ヌーボー緩和」と呼ばれるのだろうか? 中身が「プチ緩和」でもフランス語で〃お揃い〃だ。昨年10月は「ハロウィーン緩和」と呼ばれ、過去には「バレンタインデー緩和」もあった。
世界の主要株式市場の休場日は、16日はメキシコが「メキシコ革命記念日(11月20日)」の振替休日で休場する。1910年11月20日にフランシスコ・マデロがディアス独裁政権に対し武装蜂起し革命が始まった。西部劇映画で有名な革命の英雄、パンチョ・ビリャやエミリアーノ・サパタがマデロに呼応。アメリカも介入しおびただしい血が流された末に、1917年に新憲法制定。しかし社会の混乱は1920年代末まで続いた。20日はブラジル・サンパウロ市場が「黒人覚醒の日」で休場する。1695年のこの日、黒人奴隷解放運動のリーダー、ズンビが解放反対勢力に殺害された事件を記念する。ブラジルの皇女で摂政だったイザベルが奴隷制を廃止したのは1888年で、世界で最も遅かった。その翌年のクーデターでブラジルの帝政は倒される。
国内の経済指標は、何と言っても16日の月曜日の朝のGDP速報値が重要。市場予測は年率換算-0.3%で、2四半期連続マイナスになるのは確実とみられている。その下落の程度が18~19日の日銀会合にも、政府の補正予算編成にも影響を及ぼしそうだ。18~19日の日銀会合は10月に比べて追加緩和期待が薄れているが、そんな時にプチであっても「贈り物」を繰り出せば効果的。
16日は7~9月期国内総生産(GDP)速報値、9月、4~9月(上半期)の産業機械受注、10月の首都圏新規マンション販売、17日は10月の首都圏・近畿圏マンション市場動向、18日は10月の訪日外国人客数、19日は10月の貿易統計、9月の全産業活動指数、10月の全国百貨店売上高、日本製半導体製造装置BBレシオ、20日は10月のコンビニエンスストア売上高、食品スーパー売上高が、それぞれ発表される。
16日に米倉経団連名誉会長(前会長)が外国特派員協会で講演を行う。17日に小林経済同友会代表幹事が記者会見を行う。17日の大引け後に国際分散投資の有力インデックス「MSCI」の構成銘柄に日本郵政<6178>、ゆうちょ銀行<7182>が新規に採用される。終盤にリバランス買いで上昇するかもしれない。18~19日に日銀の金融政策決定会合が開かれる。19日の正午すぎに結果が発表され、大引け後に黒田総裁が記者会見を行う。19日は毎年恒例の「ボージョレー・ヌーボー」解禁日。20日に日銀の「金融経済月報」が発表される。20日に自民党税調の会合があり、TPP対策の公表もある。消費税増税、法人税減税や、TPP参加に伴う「激変緩和措置」でどんな政策を出してくるか注目。22日は大阪府知事、大阪市長のダブル選挙の投開票日。
主要銘柄の決算発表は、東証の4~9月期決算発表の推奨期限は15日だが、損保業界大手のようにそれには構わない「我が道を往く」銘柄が発表する。非上場の生命保険各社は来週26日。東芝<6502>は今回は殊勝にも期限内の7日に発表できたが、アナリスト、ジャーナリスト諸氏から「土曜日とは掟破りだ」と大ブーイングを浴びた。もし土曜日が昔の「半ドン」に戻ったら、政府目標のGDP600兆円は軽々と達成できる、か?
16日はアップルインターナショナル<2788>、レアジョブ<6096>、日本マイクロニクス<6871>、東北化学薬品<7446>、サハダイヤモンド<9898>、17日はCSSHD<2304>、18日は損保ジャパン日本興亜HD<8630>、MS&ADインシュアランスGHD<8725>、東京海上HD<8766>。
新規IPOが19日に再開する。19日は2件、20日は1件。
19日にあんしん保証<7183>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、賃貸住宅の入居者の保証人の代わりに家賃債務の保証事業を行っている。公開価格は1460円。相続税増税対策で賃貸住宅の戸数は増加しているが、入居者が増えなければ保証のマーケットは拡大しない。
同じく19日にロゼッタ<6182>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、自動翻訳サービス、人による翻訳、通訳、企業向けの語学研修事業を行っている。自動翻訳は英語、中国語、韓国語。専門翻訳サービスは世界30言語で分野はヘルスケア、IT、法務など。公開価格は695円。翻訳、通訳でインバウンド関連、東京五輪関連に入らないことはない、か?