ニプロ<8086>が、グッドマン<7535>の普通株式、A種優先株式及び新株予約権を公開買付けにより取得すると発表。買付期間は1月25日から3月8日までで、買付価格は普通株式1株につき337円。買付代金は総額で32億5000万円となる。買付予定数の上限及び下限の設定はしておらず、公開買付け完了後は、グッドマンをニプロの連結子会社とするとともに、グッドマンの株主をニプロ及び伊藤忠商事のみとするグッドマンの非公開化を行う。
現在、グッドマンの筆頭株主は伊藤忠商事で、発行済普通株式総数の36.29%を保有しているが、本公開買付けには応募しないという。一方、グッドマン取締役であり第二位株主である山本明氏(所有割合21.97%)との間では、普通株式の全てを本公開買付けに応募する旨の公開買付応募契約締結している。また、A種優先株式は、強制償還により平成25年2月8日を効力発生日としてその一部を取得及び消却。当該A種優先株式の全てを所有する日本政策投資銀行との間でも、一部を強制償還すること等を条件に、残りの株式を本公開買付けに応募することで合意しているとのこと。
グッドマンは、1970年代に最先端医療技術として登場したインターベンショナル・カーディオロジー(心臓循環器系疾患の診断及び治療)分野の将来性にいち早く着目し、同分野に必要なカテーテル等の治療用具と診断機器の国内への開発・導入を行い、また、国内初の心機能画像解析ソフトウエアの開発を実施してきた。特にカテーテル製品に関しては、国内の販売を通して蓄積した経験・知識・ノウハウをもとに日本独自のニーズに応えた製品の開発・導入を行い、国内では有力ブランドを確立している。ニプロのグループ会社となることで、こうした強みを、ニプロの持つ41カ国95販売拠点を通じてグローバルに営業展開することが可能となる。
新興国における経済成長と先進国における高齢化は、いずれも医療機器市場を拡大する要因となっており、2009年時点で世界の市場規模は2336億ドルとなっている。特にアジア各国は2010年から5年間で1.5~2倍に拡大すると予測されており、有望な市場である。一方、欧米企業が中心であったこれらの地域には、中国や韓国の企業も参入してきており、競争が激化している。こうした競争の中で勝ち残っていくために、今回の様な買収や連携が医療機器市場で活発化するのではないだろうか。(編集担当:井畑学)