5日の日経平均は52.09円安の9380.37円と9400円を割ってスタート。前日、「財政の崖」問題で協議を進めているオバマ大統領が「共和党案は富裕層向けの増税が不十分」と発言したためNYダウは13ドル安。為替もドル安が進行してドル円レートが81円台になったことが影響した。前場は前日比マイナス圏内だったが、午前11時頃にプラスに浮上。昼休み中、西村日銀副総裁の金融緩和発言によるドル円82円台への円安進行、上海総合指数の大幅反発を好感して後場は先物主導で一気に9500円台に乗せるが、その後は上げ幅を圧縮して36.38円高の9468.84円で引けた。売買代金はかろうじて1兆円乗せ。前日とは逆にTOPIXはマイナスだった。
上げた業種はKDDI<9433>、NTT<9432>、NTTドコモ<9437>など情報・通信、石油、小売、サービスといったディフェンシブ系が主。下げた業種は三菱商事<8058>など商社や保険、不動産、海運、非鉄、倉庫など。トヨタ<7203>、ホンダ<7267>など自動車、電機、機械といった輸出関連株や銀行、証券も悪かった。中国市場で苦戦し11月期決算で営業利益25%減と伝えられた工作機械の不二越<6474>は6円安。同じ中国関連でもコマツ<6301>は13円高、ファナック<6954>は100円高だった。
ファーストリテイリング<9983>は前日の11月の既存店売上高13.7%増という発表を受けて560円の大幅高、年初来高値更新で売買代金ランキング2位。シャープ<6753>はクアルコムが最大99億円出資の正式発表があり7円高で売買高ランキング2位に入った。ジャスダックのジャストシステム<4686>が電子書籍製作機能付き新「一太郎」発表で買われ、懐かしい名前がまだまだ健在。粉飾決算報道のランド<8918>は後場、売買停止措置がとられた。
ふだんは地味だが今日は目立ったのが情報・通信セクターの朝日ネット<3834>。56円高で+14.47%は値上がり率ランキング3位。インターネット・プロバイダーの大手で、全国の大学約100校さらにアメリカの大学でも採用されているクラウド型教育支援システム「manaba(マナバ)」が、日経新聞で「独創が生む成長力」と紹介されて買われた。朝日新聞社から分離・独立した会社だが現在は資本関係はほとんどなく、名前だけ。