いつか下がるはもう通用しない?2026年の不動産市場を支える、建築コストと需給の鉄則

2026年02月19日 12:56

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マンション価格高騰の正体は何か。低金利だけではない、供給不足とコスト増が引き起こす住宅市場の構造不況

今回のニュースのポイント

・コストの硬直性:人手不足による人件費の高騰と、資材価格の止まらない上昇が価格の下限を押し上げている

・需給の二極化:利便性の高い都心部や拠点都市への需要集中に対し、新築の供給が追いつかない構造

・人口動態の誤解:総人口が減っても世帯数は維持されており、特定のエリアでは依然として住宅が不足している

 これほど高くては、いつか必ず暴落するはずだ――そう信じて買い控えてきた人々にとって、現在の住宅市場は非常に厳しいものとなっています。2026年、価格は依然として高止まりを続け、むしろ上昇傾向にあるエリアも少なくありません。多くの人が期待する暴落が起きない理由は、感情論ではない、冷徹なまでの需給構造にあります。

 価格を支えている最大の要因は建築コストの硬直化です。これを買い物に例えるなら、魚の値段が高くなったのは、需要が増えたからだけでなく、漁船の燃料代や人件費(コスト)が上がり、その価格で売らなければ漁師が倒産してしまうという状況と同じです。深刻な建築作業員不足による人件費の高騰と、世界的なインフレによる資材価格の上昇により、今や安く建てること自体が物理的に困難になっているのです。

 次に需給の二極化が挙げられます。日本は人口が減っているのだから、家は余るはずだという指摘は一見正しく思えますが、現実はより複雑です。総人口は減っていますが、単身世帯の増加により世帯数は急激には減っていません。さらに、働き方の変化や利便性を求め、人々が特定の利便性の高いエリアに集中するため、都心や主要駅近くの住宅は常に椅子取りゲームの状態が続いています。

 一方で、駅から遠いエリアや地方の住宅地では、供給過剰で価格が下落しています。つまり、家は余っているが、住みたい場所の家は足りないというミスマッチが起きているのです。

 さらに、これまで価格を支えてきた超低金利政策に変化の兆しがあるものの、価格を下げる決定打にはなっていません。金利が上がれば需要は一時的に減退しますが、前述の建築コストが下がらない限り、供給側も赤字を出してまで安売りすることはできません。

 住宅市場で起きているのはバブルという一過性の現象ではなく、建築という供給の土台が変わり、人々の住まいの選び方が変わったことによる構造変化です。この現実を前提に、自分にとっての住まいの適正価格を再定義することが、今最も求められています。

 それは、世間のいつか下がる、今は買い時ではないという雑音から離れ、自分自身のライフステージや価値観に耳を傾けるチャンスでもあります。どこに住み、どんな暮らしをしたいのかという原点に立ち返れば、数字上の損得を超えた、自分だけの納得できる答えが見つかるはずです。変化し続ける市場を恐れるのではなく、変化の構造を知ることで、私たちはより主体的に、自分らしい家という居場所を選び取ることができるようになります。(編集担当:エコノミックニュース編集部)