年末年始の海外旅行渡航先、ソウルが首位陥落

2012年12月06日 11:00

 1月4日に仕事が休みであれば、9連休ともなる年始出発。お盆やゴールデンウィークと並び、最も海外旅行をする人が多いこのタイミングに9連休となることは、旅行業界にとって大いに追い風となっているようである。このことは、5日にエイチ・アイ・エス(HIS)が発表した、2012年の年末年始(12月21日~1月4日)の海外旅行動向にも表れている。

 年末年始の渡航先人気ランキングにおいて1位となったのは、シニア・かぞく旅行にも人気の高いハワイで、2008年以降1位であったソウルを追いぬいた。特にハワイ、グアムといった渡航先が、前年同日比を2桁増で推移しており、同社主催のかぞく旅行商品におけるご予約人数は、前年同日比175%と年末年始のレジャー需要を牽引しているとのこと。

 出国ラッシュの予想は12月30日で、9連休という長い休暇を取れる人を中心に、欧米方面への渡航も需要が多くなっている。同社への予約数も、ヨーロッパ方面の前年同日比が126%、アメリカ本土では135%とロングデスティネーションが好調に推移。60歳以上のシニア層においても同様の動きが見られ、これが、昨年に比べ総合ランキング内で欧米が順位を伸ばし、平均単価を押し上げているという。

 またアジア方面については、外交問題で一時期、韓国への渡航が伸び悩んでいたものの、総合ランキングにおいてソウルが2位と人気は健在。LCCの就航や成田・羽田の発着枠の増加などもあり、対象期間を通じた渡航者数は、過去最高であった昨年を更に上回る推移をしているという。その他、根強い人気の地域が上位を占め、特にバンコク・台北においては2倍近い伸びで推移している。

 景気の低迷が続いていると言われるが、これだけ海外旅行が堅調に推移しているところを見ると、さほど一般の生活にまで影を落としてはいないのではないか、若しくは、回復傾向にでもあるのか、とさえ思える。しかし、円高の定着や電力料金の値上げ、個人消費の減退など、厳しい状況が続くとの見通しから、先行きに対する不安は根強くあるのも事実である。帰国後は、しっかりと国内で消費をして欲しいと願う。