「マイナビ転職」は、転職を考える20~39歳の男女(正社員)のうち、Uターン転職を視野に入れている人を対象にした「マイナビ転職 Uターン転職に関する実態調査」を発表した。
地方創生が、社会のキーワードの一つになっている昨今だが、その柱に「Uターン転職」があると言っても過言ではないが、この調査から興味深い、ビジネスマンの志向が見て取れる。
Uターン転職を希望する理由としては、「自分にあった生活スタイルや趣味を生かした生活がしたい」が32%で最も多く、地方出身者ほど、親の世話など「家庭の事情」を理由としたUターン転職を検討する結果になった。
次いで「家庭の事情(24.8%)」、「勤めていた会社に不満があるから(23.8%)」と続いている。「家庭の事情」と回答した層を年齢別に見ると、『20~29歳(16.0%)』と比較し『30~34歳(29.7%)』『35~39歳(27.4%)』の割合が高い。
また、実家所在地別では、『その他(関東・中部・関西以外)』の層は34.7%と、『関東(18.7%)』の倍近い数値となり、地方出身者ほど親の世話などが理由で、Uターン転職を検討する割合が高いことが分かった。
次にUターン転職することへの不安は「給与が下がる」が最多で39.8%。年齢が上がるほど「求人数の少なさ」を不安視する傾向があるようだ。
次いで「仕事に就けるか心配(33.6%)」、「求人数が少ない(29.6%)」と、雇用に関する回答が続いている。年齢別に見ると、年齢が高くなるほど「求人数が少ない」という不安を抱く割合が高くなり、『35?39歳』では40.0%に達する。(『20~29歳』:18.7%、『30~34歳』:28.6%)35歳を過ぎると転職が難しくなると考えられており、“35歳の壁”への不安がうかがえる結果となった。
また、実家所在地別では、『その他(関東・中部・関西以外)』は、「求人数が少ない(46.7%)」、「地元の景気が良くない(21.3%)」、「Uターン先の情報を入手することが困難(21.3%)」が他の地域と比べて特に高い数値となった。地方出身者は、家庭の事情などによりUターン転職の必要に迫られているものの、不安要素が他の地域と比べて多く、実際にUターン転職に踏み切る際の障壁が多いことが推察される結果となっている。
Uターン転職は決して容易いものではないが、自分に合ったライフスタイルを実現するためには、都会ではなく、生まれ育った故郷が相応しいということなのだろう。(編集担当:久保田雄城)