NHKは子会社のNHKアイテックの社員2人の総額約2億円の着服事件に対する調査報告を9日、発表した。
社員の1人が役員を務める実態のない会社に架空発注を繰り返し、6年間で1億9800万円を不正取得していた。不正着服していた栗原貴幸職員(40歳)と石川泰之職員(45歳)を懲戒解雇にしたほか、管理・監督責任のある上司16人を停職3カ月から出勤停止2日の処分にした。
また、9日のNHKアイテック取締役会で久保田啓一代表取締役社長ら専務、常務、取締役の計5人が辞任を申し出、営業本部長ら取締役3人は役員報酬3割から2割を3カ月から2か月自主返納すると申し出た。
NHKアイテックは「二度とこのような不正を起こすことが無いよう、組織を挙げて再発防止に取り組みます」とのコメントを発表した。
また、NHKは「不祥事を長年にわたって把握せず、許してしまったことは痛恨の極み。NHKグループ一丸となってガバナンスの強化と内部統制の徹底に不退転の決意で取り組みます。また不正を許さないという意識改革を組織の隅々に徹底させ、倫理感の醸成に全力であたります」とのコメントを発表した。(編集担当:森高龍二)