【日経平均】「寄り安」から徐々に反発して終値10866円

2013年01月29日 19:18

 アメリカの長期金利が、債券から株式への資金シフトを背景に一時2%に乗せたが、NYダウは利益確定売りで14ドル安と7日ぶりに反落。29日朝方の為替レートはドル円が90円台半ば、ユーロ円が121円台後半と円高が進み、株価の反発が期待できそうにないまま日経平均は73.30円安の10751.01円で始まった。それでも先物を中心に徐々に買い戻されて前場に前日比プラス圏に浮上。後場は10900円台に伸ばしたが為替レートの変動に伴って戻し、インドの利下げのニュースでムンバイSENSEX指数が急騰しても東京市場には影響しなかった。終値は42.41円高の10866.72円で、売買高30億株以上、売買代金2兆円以上は、ほぼ日常化している。

 買われた業種は鉱業、銀行、鉄鋼、石油、証券など。売られた業種は建設、小売、繊維、不動産、サービス、陸運などだった。

 業種別騰落率2位の銀行株の中でも、日本株の上昇で保有株式の評価損が縮小しているという報道が好感されたメガバンクは好調で、三井住友FG<8316>は145円高、みずほ<8411>は5円高、三菱UFJ<8306>は18円高になり、ともに昨年来高値を更新した。売買代金ランキングで2~4位を占めるなど時価総額が大きいのでTOPIXを押し上げ、取引時間中の昨年来高値更新の原動力になった。そのTOPIX終値は+6.98の920.76。最近の売買高、売買代金の上位常連組では、野村HD<8604>は8円高。オリコ<8585>は13円安、アイフル<8515>は28円安と仲良く下げ、マツダ<7261>は8円高だった。

 4日連騰だったソニー<6758>はさすがに利益確定売りが出て22円安と下落。それでも3日連続で売買代金1位に君臨している。それとは反対に前日4ケタ安のファナック<6954>は底を打って380円高と上昇し、日経平均寄与度は+15円でトップだった。アドバンテスト<6857>は後場に崩れて値を戻しきれず15円安だった。

 ザラ場中に信越化学<4063>が決算発表を行った。営業利益は3%増で通期業績見通しは据え置き。市場の反応は乏しく終値は20円安。想定為替レートはドル円80円、ユーロ円100円で変えなかった。ヤクルト本社<2267>の決算も通期見通しは据え置きだったが、こちらは発表後に買いを集めて一時190円高まで上昇している。

 昨年末の「安倍相場」では国土強靱化、公共投資増額を見込んで盛んに買われた建設株だが、前田建設工業<1824>は決算内容が悪く業績予想を下方修正して値下がり率4位の51円安だった。主因は海外受注減だが、コスト増で利益圧迫の見通しもコメント。この日の業種別騰落率で最下位に沈んだ建設業は、専門職の不足による人件費の高騰や円安による輸入資材価格の上昇といった問題点も抱えている。値下がり率ランキングには、投資判断を引き下げられた大日本住友製薬<4506>も91円安で8位に入った。

 今日の主役は、前日大引け後に決算発表を行ったKDDI<9433>。終値180円高と反発して昨年来高値を更新し日経平均を7円押し上げた。営業利益3%増の決算内容も悪くなかったが、投資家が飛びついたのは「3月31日を基準日として1株を2株に分割する」という株式分割の発表。かつてライブドア事件にからんで「株式分割バブル」「錬金術」と批判を浴びた株式分割だが、2006年1月の制度改正で分割後の子株環流までのタイムラグがほぼなくなり、需給効果による一時的な株価上昇は見込めなくなった。その後は分割を発表しても市場の反応は限定的で、「株価にはニュートラル」とクールにコメントされることが多かったが、KDDIは大型主力株で、しかも1→2株という規模で流動性が高まるので、さすがに好材料視されたようだ。(編集担当:寺尾淳)