大型株中心に売られて日経平均4日ぶり反落

2012年12月05日 11:00

 総選挙公示日の4日の東京市場は、アメリカのISM製造業景気指数が50を割り込む予想以上の悪化で前日のNYダウが59ドル安と4日ぶりに下落し、円安も一服したため、39.03円安の9419.15円と安く始まった。その後、TOPIXは何度もプラスになる場面があったが、為替が若干円高に振れたり、上海総合指数が年初来安値を更新して軟調だったこともあり、日経平均は様子見ムードの中、終始マイナス圏内で推移した。終値は25.72円安の9432.46円で4日ぶりの反落。ただし東証1部は値下がり銘柄579に対し値上がり銘柄は944もあり、マイナスが大型株に偏ったので、TOPIXのほうはプラス0.24だった。売買代金は1兆円をかろうじて超え、「薄商いの火曜日」が戻ってきた。

 上昇した業種は石油・石炭、ゴム、その他金融、小売など。建設関連株に火がついた前日の余韻が残って売買高ランキングでは三井住友建設<1821>が1位、日本橋梁<5912>が5位に入り、値上がり率ランキングではPS三菱<1871>が5位に入った。ディフェンシブ系では武田薬品<4502>、アステラス製薬<4503>など医薬品、東武鉄道<9001>など電鉄、サッポロHD<2501>など食品に買いが入った。明暗が分かれたのが自動車で、11月のアメリカでの新車販売が前年同月比38.9%増と好調だったホンダ<7267>は上昇したが、日産<7201>は30円安と大きく下げ、トヨタ<7203>も売られた。

 下落した業種は海運、電機、精密、鉄鋼、繊維、パルプ・紙、非鉄金属などで、円安が一服したため輸出関連株の利益確定売りが目立った。ニコン<7731>やキヤノン<7751>、TDK<6762>が下げ、アドバンテスト<6857>は外資系証券の投資判断の引き下げが足を引っ張った。ファーストリテイリング<9983>は下落して連騰は12でストップ。しかし大引け後に発表された11月のユニクロ国内既存店販売データは気温の急低下で冬物が好調で軒並みプラスだったので、明日からは出直せそうだ。

 今日の主役は、巨額赤字に苦しみ11月に「投機的」に格下げされたシャープ<6753>。アメリカの半導体大手クアルコムが100億円を出資すると報じられ、インテルよりも先に合意が成った。シャープが技術を提供してスマホ向け次世代液晶パネルを共同開発する。ニュースを好感して活発に売買され、売買高は3391万株で7位に入り、終値は2円高。経営再建の成り行きは予断を許さないが、少しだけ「春の予感」というところか。