東芝が、国内半導体メーカーでは初めて英ARM社の「Cortex-M0」を採用したスマートメーター向けの汎用マイコンを製品化したと発表。2012年8月からサンプル出荷し、2012年12月から量産を開始する。
従来、高精度なアナログフロントエンド(AFE)部と制御部に分かれた2チップ構成が標準となっているスマートメーター等のアプリケーション。しかし、システム合理化やチップサイズに課題があった。
東芝は、これらの課題を解決するために「Cortex-M0」を採用し、小回路規模、高演算性能、低消費電力を実現。また、システムに最適な高精度のA/Dコンバータを開発したことで1チップ構成を実現したという。さらに、電力演算機能を持った東芝独自の高性能電力演算エンジンを内蔵。有効電力、無効電力、力率などの電力演算、電圧・周波数変動の監視などが可能で、各国のスマートメーター規格に対応可能となっている。その他、リアルタイムクロック(RTC)回路を搭載し、内蔵温度センサと組み合わせて0.5ppm単位での温度補償を行うことにより、正確な時間管理が可能となる。
東芝は、今後も「Cortex-M0」を採用したシリーズを展開し、従来、8-bit/16-bitマイコンが主流であったセンサ応用機器、家電製品、健康機器、通信機器などのアプリケーション向けに販売するという。