期待度大の低価格の認定低炭素住宅

2012年05月21日 11:00

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クラスター(葡萄の房)状のコモン(共有地)をコミュニティとして活用するエリアを数多く持つ特徴的な都市型のまちづくりを目指す「東大和市向原地区プロジェクト」。(写真はイメージ)

 最近、日本各地ではスマートタウンとして生まれ変わることを目指した計画も多く見られるようになったが、首都圏には安価で住環境に優れ、地球にも優しい”まちづくり”を目指すプロジェクトがある。

 このプロジェクトは高品質・安価な住宅及び低炭素住宅の供給を目的とした東京都の「東大和市向原地区プロジェクト」。そして、この事業を目的とする特別目的会社「東京ビレッジ」が4月27日に設立された。同社は住宅メーカーのアキュラホーム、東日本ハウスなど10社が名を連ねており、今年度から建設工事に着手し、2013年中にまちびらきをする予定だ。

 同プロジェクトの目的でもあるCO2排出量の少ない住宅の供給に関しては、太陽光発電システムをはじめとする再生可能エネルギーが最大限利用され、断熱効果に優れたエコハウスが数多く用意される予定だ。さらに、高効率のシステムを持たない住宅に関してもCO2の排出量の低減を図る工夫が施される見通しだ。現在、会期中の国会に国土交通省から提出された「都市の低炭素化促進法案」が制定されれば、同プロジェクトで建てられる多くの住宅も『低炭素住宅』として認定され、様々な優遇策が適用される可能性が高い。

 そして、供給される各住宅にはもうひとつの目的でもある”低価格”も実現される。「東京ビレッジ」のメンバーであるアキュラホームが、同じく東京都の計画だった「東村山本町地区プロジェクト」での”広さ”と”質”を確保しながら、市場より3割程度安い建物価格を実現させた実績を同プロジェクトでも活用する。

 加えて住環境においては、「クラスター(葡萄の房)」状の居住地の人々が「コモン」と呼ばれる共有地をコミュニティに活用し、それがいくつも形成された都市型の理想的なまちづくりの実現を目指している。

 「東京ビレッジ」設立に伴い、5月15日に集まったメンバー各社の代表者を前に、細野晟史社長は「これから『世界に発信できる美しく暮らしやすいまち』の創設という大命題の計画を具体化して実施できる体制を構築していく。そして住宅購入者が健康で快適に、かつ安心して過ごせる居住環境を維持管理していく」と力強く語った。

 優遇策など追い風も吹く「東大和市向原地区プロジェクト」。都市型の低炭素社会のケーススタディともいうべきこのプロジェクトへの注目度は、非常に高いと言えそうだ。