大日本印刷がベトナムに日用品や食品向けの軟包装を製造する工場開設

2012年05月15日 11:00

 大日本印刷が、日用品や食品向けのフィルム製パウチやチューブなどの「軟包装」を製造する工場をベトナムに新設すると発表。約40億円を投資し、新工場の稼動開始は2013年4月を予定。大日本印刷が80%、DNPインドネシアが20%を出資して設立されるDNPベトナム有限責任会社が運営を行う。

 若年層の比率が高く、約8700万の人口を擁し、毎年5~6%の高い経済成長が続いているベトナム。インドシナ半島の物流拠点として多くの企業が進出するなど、今後も順調な市場の拡大が見込まれている。そうした中、大日本印刷は、1972年に設立したDNPインドネシアにて、ベトナムに製造拠点を構えるグローバル企業にインドネシアから製品を供給していたものの、短納期対応や生産拠点の複数化によるリスク分散などの要望を受けていた。こうした要望を受けての、今回の新会社設立、新工場の建設だという。

 新工場では、シャンプーの小分け袋(サシェット)のほか、柔軟仕上剤や洗剤などのスタンドパウチ、歯磨きや化粧品などのラミネートチューブの原反などの製品を生産し、インドシナ半島と近隣諸国のグローバル企業、日系企業、ローカル企業に製品を供給。5年後には50億円の売上を見込んでいる。

 先の決算発表にて、電力不足への不安や電気料金値上げの影響などの懸念材料が多く、先行きは不透明、印刷業界においても、国内需要の低迷や競争激化による受注単価の下落などの影響もあり、引き続き状況は厳しいと、見通しを予想している大日本印刷。しかし、こういった環境下でも、平成24年3月期では163億5600万の損失であった連結当期純利益を、今期は175億円のプラスと予定している。今回の新会社設立・新工場建設のように、顧客の課題を解決する製品・サービスの提供に全力で取り組む姿勢は、この目標をどこまで現実のものとすることが出来るのであろうか。