15年度の国内パソコン出荷台数は前年度比21.4%減の990万6,000台 Windows XP搭載機の更新特需の反動続く

2016年05月19日 07:53

 MM総研は、2015年度(15 年4月~16年3月)の国内パソコン出荷実績調査の結果を発表した。それによると国内パソコン出荷台数は前年度比21.4%減の990万6,000台となった。13年度に発生したWindows XP搭載機の更新特需の反動が続いているが、半期別にみると上半期は前年同期比29.5%減の474.1万台、下半期は同12.3%減の516.5万台と減少幅は縮小している。

 流通ルート別実績では、個人向けルートが前年度比18%減の428万台、法人向けルートが23.8%減の562.6万台となり、法人更新需要の反動がより強く市場に反映される結果となっている。

 メーカーシェアは、首位のNECレノボ、2位の富士通、3位の東芝と上位3メーカーの順位に変化はなく、期中にエンタープライズ事業との分社化を実行した4位の日本HPが前年の5位から順位を一つ上げた。6位のアップルが前年度比91.8%とランキングメーカーのなかでは最も良い結果であったが、ランキング対象となる全てのメーカーが前年度比を割り込む結果となった。

 出荷金額は前年度比14%減の8,736億円となった。出荷平均単価は前年度の8.1万円から7,000円増の8.8万円。円安による部材費の上昇と、プレミアム機種へのシフトで価格が上昇した。

 2015年度は、過去最高の出荷台数を記録した2013年度から2年連続の減少となった。ただし半期別では、上半期は前年同期比29.5%減だったのに対し、下半期は12.3%減と減少幅は縮小。16年度の見通しも上半期は4.2%の減少と、市場は下げ止まりの傾向となっている。流通ルート別に見ると個人市場が、前年同期比18%減の428万台、法人市場が同23.8%減の562.6万台と特に法人市場でのWindows XP更新需要減の影響が響く結果となっている。

 出荷金額は14%減の8,736億円。出荷単価は、8.8万円と前年度から7,000円の上昇となった。15年前半まで続いた円安による価格上昇に加え、Windows10切り替えに伴うプレミアム機種へのシフトがパソコン販売価格の上昇につながっている。

 2016年度のパソコン需要は、13年度に発生したOS入れ替えに伴う特需の反動から抜け出し、回復局面に向かうと予想されるという。通期では957万台、前年度比は3.4%減と微減を見込むが、法人市場は2.1%増と成長を見込んでいる。

 個人市場では、スマートデバイス活用によりパソコンの入れ替えが停滞する厳しい状況が続いている。各社とも軽薄型モバイルやハイスペック機、またタブレットカテゴリーとなるが、PC、タブレット兼用となる2in1機などプレミアム製品を充実させている。一方、DELLが発表した2台目需要を狙った3万円台の低価格モバイルノートもヒットしており、スマートデバイスとの使い分けも底堅い需要として存在する。

 法人市場では、主に企業のセキュリティ対策やクラウド、モバイル活用検討を一層後押ししていく必要があろう。Windowsの開発思想はクラウド・モバイルファーストへ舵を切っており、オンプレ時代の既存アプリケーションや資産活用では移行コスト等課題も多いが、働き方改革など利用方法次第ではメリットも大きい。10月にWindows7のメーカー出荷終了を迎えるが、法人は、あわてて駆け込むのではなく、パソコンを含む端末利用も含めて中期レンジで会社のシステムのありようを展望、相談したうえ、端末の調達を検討するよう提言している。(編集担当:慶尾六郎)