パソコン離れ進む中「日の丸統合」が白紙に

2016年04月25日 08:26

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東芝と富士通、ソニーのパソコン部門が独立したVAIOの3社が検討してきた「日の丸統合」が白紙に戻る見通しとなった。パソコン市場は、スマートフォンやタブレット型端末の普及にって国内外で縮小しており、救世主の登場が待たれている。

 東芝<6502>と富士通<6702>、ソニー<6758>のパソコン部門が独立したVAIOの3社が検討してきた「日の丸統合」が白紙に戻る見通しとなった。パソコン市場は、スマートフォンやタブレット型端末の普及によって国内外で縮小しており、救世主の登場が待たれている。

 3社のパソコン事業統合構想が浮上したきっかけは、不正会計問題を受けた東芝の構造改革であった。統合によって、製品の開発から製造、販売までを効率化し、競争力をアップさせる狙いがあったが、統合後の収益計画や事業戦略をめぐり協議が難航。3社が保有する国内外の製造拠点の統廃合においても調整がつかず、溝が埋まらない状態だ。

 IT専門調査会社のIDCジャパンの調査によると、2015年のPC出荷台数は前年より31.4%減、484万台少ない1055万台であった。国内シェアは、上からNECレノボ・グループ<6701>(26.3%)、次いで富士通(16.7%)、東芝(12.3%)。VAIOは1.8%である。3社の出荷台数は合わせて324万3000台にのぼり、統合が実現すればたちまちトップに君臨する。

 スマホの普及が進む中、パソコンに再びチャンスが巡ってくることはあるのだろうか。スマホで最初にネットに触れる「スマホネイティブ世代」と呼ばれる若年層を中心に、パソコン離れが加速している。10年頃からスマホの使い勝手が飛躍的に向上し、11年には今や一般に浸透した無料通話アプリ「LINE」がサービスを開始した。パソコンがなくてもスマホで事足りるため、あえてパソコンを持つ必要がないのだ。

 パソコン離れで危惧される問題は、スマホネイティブ世代が社会に出た時に起こると言われている。スマホやタブレット端末では、複数の作業を同時に行うマルチタスクなどが困難であり、複雑な仕事にはパソコンが必須というのが現状だ。

 また、中学校などの情報教育においても、パソコンではなくタブレット端末を導入しているところも珍しくなく、タイピングなどの技能が習得できないケースもある。

 とはいえ、スマホでのインターネットやアプリ以上の機能を求めていない人たちにとって、パソコンが不要な存在であることには変わりない。かつてのニーズを取り戻すのは至難の業である。(編集担当:久保田雄城)