犯罪予測システム 日本でも実用化始まる

2016年05月14日 21:25

画・犯罪予測システム日本て_も実用化始まる

近年、防犯や治安維持などの観点において注目を集めている新技術に、犯罪予測システムというものがある。

 近年、防犯や治安維持などの観点において注目を集めている新技術に、犯罪予測システムというものがある。

 これは「過去に犯罪が多発してきた場所」「過去に犯罪を犯した人物の居住地区」「街灯の多さ」「バーやナイトクラブの有無、およびその営業時間」などのビッグデータを元として犯罪が起こりやすい場所や時間帯を予測しておき、そのポイントにおいてパトロールなどの警備を重点化することで犯罪を未然に防いだり、犯罪が発生した場合には警察官が直ちに現場に向かうことができるようにしておいたりするというものだ。

 アメリカでは既にこうしたシステムは2011年頃から広く実用化されるようになってきている。サンタクルーズ市警ではサンタクララ大学やカリフォルニア大学ロサンゼルス校と提携をし、これまでの同市内での犯罪データを提供することにより、同大学で研究が進められていた犯罪予測システムの実用実験に協力をしてきた。

 サンタクルーズ市警の所有するパトカーや白バイにはパソコンが搭載されており、事件の現場において警察官が直接データに上書きをし、アップデートをしていくようになった。その結果として生み出されたのが「PredPol」というサービスだ。

 PredPolはWebベースのサービスであり、犯罪の種類ごと、それらが昨日までどこで発生をし、今日はどこで発生をしそうなのかということを地図上に表示する。サンタクルーズ市ではPredPolを活用した結果、2年間で犯罪発生率を17%減少させることに成功した。またロサンゼルス市警ではこのPredPolを12年に導入したところ、ベテラン刑事やアナリストなどの専門家のおよそ2倍の精度で予測をすることに成功した。

 また、日本においても現時点ではごく一部であるものの、同様の犯罪予測システムを活用する動きが出始めている。京都府警では15年の10月から過去10年の窃盗やわいせつなどの犯罪統計をビッグデータとして活用し、犯罪が起こりそうな場所、時間帯を予測する。同府警ではロサンゼルス市警などを視察し、システムのさらなる活用を進めていく見込みだ。(編集担当:久保田雄城)