国内ソフトウェア市場は2020年には3兆2,091億円に達する見込み

2016年05月20日 08:48

 IT専門調査会社 IDC Japanは国内ソフトウェア市場の2015年の実績と2016年~2020年の予測を発表した。IDCが定義するソフトウェア市場には、パッケージソフトウェア、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)の売上額が含まれている。

 それによると、2015年の国内ソフトウェア市場は2兆6,174億2,100万円、前年比成長率が4.0%と堅調な成長となった。ソフトウェア市場を構成する3つの大分類市場別では、アプリケーション市場が前年比成長率4.5%、アプリケーション開発/デプロイメント市場が前年比成長率5.4%、システムインフラストラクチャ市場が前年比成長率2.6%となった。最も成長率が高いアプリケーション開発/デプロイメント市場では、アナリティクス需要の拡大やPaaSの高い成長が市場の伸びをけん引した。アプリケーション市場では、SaaSへの移行が進んでいるCRM(Customer Relationship Management)アプリケーション市場とコラボレーティブアプリケーション市場が好調だった。PaaSとSaaSの利用拡大がソフトウェア市場の成長をけん引している。

 2016年の国内ソフトウェア市場は前年比成長率4.4%を見込んでいる。2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は4.2%、2020年には3兆2,091億円に達するとIDCでは予測している。また、大分類市場別の2015年~2020年のCAGRはアプリケーション市場が3.7%、アプリケーション開発/デプロイメント市場が5.4%、システムインフラストラクチャ市場が3.9%とIDCでは予測している。

 2015年~2020年のCAGRが最も高いアプリケーション開発/デプロイメント市場ではビッグデータ向け統計解析ツールやセルフサービス型BI(Business Intelligence)の浸透などアナリティクス関連市場の高成長が続く。PaaSもデジタルトランスフォーメーション(DX)のプラットフォームとしての採用が拡大し、高成長が継続すると予測している。アプリケーション市場では、デジタル化によるサービスの多様化が進み、コグニティブシステムやデジタルマーケティングに関連したソフトウェアとクラウドサービスの急速な利用拡大が見込まれるという。システムインフラストラクチャ市場では、サイバーセキュリティ対策やマイナンバー制度への対応に向けたセキュリティソフトウェアの投資拡大やシステム運用の自動化、Software-Defined Networks(SDN)やSoftware-Defined Storage(SDS)の本格導入が市場をけん引するとIDCではみている。(編集担当:慶尾六郎)