IT専門調査会社 IDC Japanは、2015年の国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション(UC&C)市場の分析結果と2016年~2020年の予測を発表した。
IDCでは、ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション(UC&C)市場を「IPテレフォニー市場」「コラボレーティブアプリケーション市場」「IPコンファレンスシステム市場」「IPコンタクトセンターシステム市場」の4つのソリューション市場に分類して、それぞれの市場について分析と予測を行っている。
上記の分類にて、2015年の国内UC&C市場規模は、前年比4.9%増の2,394億2,500万円になった。2015年は、2014年から続く企業の音声インフラのリプレイス需要が継続したこと、コラボレーティブアプリケーション市場でのクラウド移行、特にeメールアプリケーション、ファイル同期/共有ソフトウェア市場のクラウド成長が著しかったことなどによって、UC&C市場は好調な成長を維持した。一方、IPコンファレンスシステム市場は、Web会議サービスは好調であったものの、据置型ビデオ会議システムが市場の小型低価格製品へのシフトによって成長が鈍化しているという。
2016年のUC&C市場は、2015年の市場拡大要因であった企業音声インフラ更新需要の一巡、ビデオ会議システムの低価格市場へのシフトなどの要因により、2016年は前年比成長率1.4%と、2015年の成長率から鈍化すると予測している。
国内UC&C市場は、東京オリンピック/パラリンピックに向けた音声基盤再構築、インバウンド顧客サポートへの投資などが活発になり、2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)2.3%で成長し、2020年には2,679億9,000万円の規模になるとIDCでは予測している。2020年は、オリンピック開催後に一時利用クラウドサービスの解約や先行投資の反動によって同市場の成長率は鈍化すると予測している。
「国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション市場が今後も成長していくために、ベンダー/システムインテグレーター/通信事業者を含むITサプライヤーは、クラウド上でのUC&C機能の複合提供の推進およびコグニティブシステムとUC&C機能の連携を図るべきである」とIDC Japan リサーチ第2ユニット ディレクターの眞鍋敬氏は分析している。(編集担当:慶尾六郎)