不正で信頼失うスズキグループと取引がある1次仕入先は1,154社、総従業員数は54万7,678人

2016年05月21日 19:43

 5月18日、スズキが、軽自動車の燃費データの測定に関し、国が定める規定と異なる方法で燃費を測定していたことを公表した。4月20日には、三菱自動車工業が、軽自動車の型式認証取得で国土交通省に提出した燃費試験データに不正な操作があったことを公表した。燃費測定制度への信頼は大きく低下しており、自動車販売や生産面で大きな影響が出かねない。

 これを受け、東京商工リサーチは、スズキグループの取引状況を調査した。同グループと取引がある1次仕入先は1,154社、総従業員数は54万7,678人だった。また、スズキグループと三菱自グループの重複取引先は、1次仕入先で167社、2次仕入先で1,711社あることがわかった。

 スズキグループの1次仕入先は1,154社だった。産業別では、部品メーカーなど製造業が647社(構成比56.0%)で最多。次いで、卸売業が212社(同18.3%)、サービス業他が99社(同8.5%)、運輸業が76社(同6.5%)の順だった。

 1次販売先は2,666社で、ディーラーや車両販売店などの小売業が1,859社(同69.7%)と最も多く、次いで、車両リースや整備業などサービス業他が470社(同17.6%)だった。

 スズキグループの1次仕入先(1,154社)の業種別では、自動車部分品・附属品製造業が180社で最多。以下、一般貨物自動車運送業(39社)、金属用金型・部分品・付属品製造業(34社)、自動車部分品・付属部品卸売業(33社)と続く。

 1次販売先は、二輪自動車小売業(993社)が最多。以下、自動車(新車)小売業584社、自動車一般整備業(336社)、中古自動車小売業(98社)と続く。四輪車と二輪車では燃費の測定方法は異なるが、

 今回の公表によるブランドイメージの低下が二輪にまで波及した場合、二輪自動車小売店にも影響がおよぶ可能性があるとしている。燃費性能を偽る不正行為の有無にかかわらず、国土交通省が定めた測定方法からの逸脱することは、燃費データに対する消費者の信頼を失いかねない。信頼失墜による販売や生産への影響は、下請け企業や販売店へ波及し、ひいては地域経済にも影響する。このため、メーカーの法令順守は当然であるが、適切な手順ではない測定方法が根絶できるような燃費測定制度への転換も必要だろうとしている。(編集担当:慶尾六郎)