安倍晋三総理・総裁が自民党の党幹部らと会談し、来年4月の消費税10%実施を2年半先送りし、2019年10月実施にしたい意向を伝える中、焦点は、先送りする場合、総理が衆参ダブル選挙に踏み切るのかどうかに関心が集まりつつある。
さきの総選挙では、消費税を1年半先送りするので国民の信を問うとして、衆院解散・総選挙が実施された。今回はさきの先送りより期間の長い2年半の先送りとしているほか、社会保障制度の充実やそのための財源、あわせて2020年のプライマリーバランスの問題など、前回より、より「国民に信を問わなければ筋が通らない」事態になる。
二階俊博総務会長は解散すれば衆院議席を減らすことになるとして解散に慎重な姿勢だが、稲田朋美政調会長は消費税引き上げを再延期するなら参院選に合わせて衆院を解散し、国民に信を問うべきとの考えだ。麻生太郎副総理も同様の考えの模様。
二階総務会長は解散で衆院の議席を減らすことになるとしているが、もともと、291議席は予想以上に獲得できた議席数で、いくらか減るのは当然と見た方が良く、それより、参院選挙を有利に戦うためにダブル選挙に踏み切り、1年半後くらいに、衆院選挙を実施し、巻き返す構図を描くことは可能。安倍総理が、この駆け引きをどう判断するのか、6月1日の国会会期末まで分からない。(編集担当:森高龍二)