増税先送り「苦渋の選択」自民の参院政審会長

2016年06月06日 07:58

 来年4月に予定していた消費税増税(10%実施)を新しい判断(世界経済がリスクに直面しており、内需を腰折れさせかねない消費税の引き上げは延期せざるを得ないとの判断)に基づき、2019年10月に先送りするため、6月22日公示、7月10日投開票で実施する参院議員選挙で国民の信を問い、改選議席数(121議席)の過半数を自公で確保し、関連法案を秋の国会に提出、成立させたいと安倍晋三総理が1日の記者会見で語った。

 これについて、自民党の鶴保庸介参院政審会長は5日のNHK番組で、増税先送りは「苦渋の選択」と語った。鶴保参院政審会長は「党内でも、様々な議論がある。苦渋の決断だと申し上げておきたい。財源をどうするのか、また総理が言われる通り、それほど世界経済が深刻な状態なのか等々、いろいろあると思う」と語った。

 そのうえで鶴保参院政審会長は「国民の6割、7割は増税に反対という、高い水準にあり、現時点での消費税増税の延期は妥当ではないかと思っている」とした。

 一方、野党第1党の民進党・小川敏夫参院幹事長は「アベノミクスが完全に失敗したということだ」と強調した。

 小川参院幹事長は「賃金は上がらない、物価は上がる。消費は伸びない。消費が伸びない中で消費税は上げられないという状況が現にあるので、安倍総理は(消費税が引き上げられる環境をつくり、先送りはしないとした)約束を果たせなかったことを認めて、責任をとることが先だ」と責任を追及した。(編集担当:森高龍二)