東電福島第一原発事故時に、まさに当事者であった菅直人元総理(当時総理)が17日、原発事故で当時「メルトダウン(炉心溶融)」の公表が遅れた問題について『東京電力が設置した第三者委員会』が炉心溶融を炉心損傷と説明したのは「官邸から慎重な対応をするよう要請を受けていたと理解していたと推認される」とする報告書をまとめたことについて「官邸側という表現で当時の総理にかかわる記述もあったので、田中泰久東電第三者委員会委員長に報告書について説明を受けたいと今日(17日)の午前中に直接電話で申し入れた」とし「田中委員長は午後になって、委員の間で相談のうえ、説明義務を果たす気はないと電話で回答してきた」と驚くべき回答があったことを公表した。
菅元総理は報告書ならびに第三者委員会の調査について「官邸の政治家から一切聞き取りもせず、東電関係者への聞き取りだけで東電に都合にいい報告書を発表」したと問題を取り上げた。
また「報告書で『官邸側』と官邸の政治家の関与をにじませながら、それについて説明する義務がないというのはどういうことか。法律家としての矜持を疑う」と怒っている。
菅元総理は「当時官邸で官房長官だった民進党・枝野幸男幹事長は17日午前の記者会見で『第三者』委員会の調査は、恣意的で、少なくとも弁護士として求められる適切公正な調査を成し得ていない過失が存在する疑義を免れない。今後、対応を検討するとしている」と紹介。
菅元総理は「舛添都知事の調査と同じで、第三者という公平性を装いながら、依頼者に都合のいい報告書を出し、説明義務も果たさないとは法律家として失格」と断じた。
菅元総理は「報道各社から『炉心溶融』という言葉を使わないよう官邸から清水社長に指示があったのか、という質問がきている。もちろん私も、枝野氏もそうした指示を出したことはない。原子炉の状況を知りうるのは東電。東電が炉心溶融と判断すれば政府に報告し国民に伝えればいい。政府として隠す理由は何もない」と強く反論している。(編集担当:森高龍二)