ICT総研は、タブレット端末市場に関する調査結果をまとめた。
2013年度に713万台、2014年度に919万台へと大きく伸長してきた日本のタブレット端末の出荷台数は、ICT総研の調査によると2015年度895万台となり、ここ数年続いてきた拡大一辺倒の傾向が変化したという。スマートフォンの普及によりタブレット端末の新規需要そのものが減退していることに加え、携帯電話キャリアのLTEモデルの販売がやや伸び悩んだことなどが挙げられるとしている。
だが、今後の国内タブレット端末市場はWindowsタブレットのニーズが増加する影響などを受けて再び拡大に転じる見込み。2016年度には前年比6.3%増の951万台、2018年度には1,118万台まで拡大すると推計されるとしている。
これまでタブレット端末の市場拡大を牽引してきたアップルのiPadは2015年度に前年比7.2%減の359万台の出荷となり、初の国内出荷台数減少となった。Androidタブレットも前年比2.5%減の393万台の出荷となったが、シェアは43.9%と前年並みを維持した。Androidタブレットは、iPadに比べて単価の低い端末が多いことも堅調さの要因となっており、今後もトップシェアを維持すると見られるとしている。
iPadの出荷台数シェアは2012年度に53%を記録していたが、徐々にシェアが低下しており、2015年度のシェアは40.1%となっている。ただし、iPadユーザーの代替需要や、高齢者向けの新規需要なども見込まれるため、今後大きくシェアを落とすことは考えにくいという。
また、Windowsタブレットを含むその他のタブレットは2015年度に143万台が出荷され、シェアは16%に増加し、順調にシェアを拡大している。特に法人需要が旺盛であり、今後もニーズは拡大し続ける見込みだという。
半期ごとの推移を見ると、2015年度上期は421万台と前年同期を若干上回るが、2015年度下期は474万台と前年同期の498万台から出荷台数が減少した。
ICT総研がインターネットユーザー(個人ユーザー)4,000人に対して2015年6月に実施したWebアンケート調査の結果、現在の所有率トップはiPadとなった。iPadの所有率は15.1%であり、次点のAndroidタブレット(13.4%)を上回った。iPadはタブレット市場を永らく牽引してきた存在であり、過去のモデルも含めるとやはりiPadの所有者は依然として多いようだとしている。
Webアンケートで昨年同様に「端末の総合満足度」を聞いたところ、マイクロソフトSurfaceが80.3ポイントとなり、100点満点換算した満足度ポイントでトップ。iPadが77.3ポイントでこれに続いた。
昨年はiPadをサイズ別に分けて質問していたが、iPad miniの満足度が81.8ポイントでトップであり、マイクロソフトSurfaceも79.1ポイント。iPadとSurfaceの満足度が非常に高いという傾向に変わりはない。Surfaceを除くWindowsタブレットやAndroid端末、amazonのKindle Fireの満足度は全体的に低く、上位2機種と大きな差が生じている。コストパフォーマンスの高さでシェアを伸ばしているAndroidタブレットだが、機能やデザイン面への評価・満足度はiPadやSurfaceと差がついているようだとしている。(編集担当:慶尾六郎)