消費者が納得できる電力託送料金実現を明言

2016年07月31日 07:48

 河野太郎消費者政策担当大臣は家庭用電力料金の3割から4割を占める電力託送料金の査定の改善策の諮問に対する答申を消費者委員会や電力託送料金に関する調査会から受け、改善措置を速やかに実施するよう文書で林幹雄経済産業大臣に申し入れた、と30日までに自身のブログで内容を紹介した。

 河野大臣は「今後、最終的な負担者である消費者が理解、納得できる託送料金が実現するようにしていく」と明言している。

 それによると「託送料金の査定等にはいくつもの改善が必要な点があることが明らかになった」とし(1)コスト削減実績が料金値下げに反映されるよう料金の原価算定期間終了後には原価を見直すこと

 (2)産業向けに比べ、家庭向けに過大に配分されている懸念がある送配電設備等の固定費について一般消費者が納得できる配分に改善すること

 (3)電力各社の資材等の調達効率化を進めるため、外部から恒常的に監視や検証をすべきこと。

 (4)その際、電力各社に競争発注比率の引上げ等について目標を掲げさせること

 (5)消費者の理解や納得性の観点から、託送料金の内容や電源開発促進税等が託送料金の仕組みで集められていること等をしっかり情報提供すること

 (6)そのために、小売電気事業者も請求書等にこれらの金額を明記するべきこと

 (7)託送料金の適正性確保は消費者の利益に大きく関わるとともに、電力小売全面自由化の帰趨にも影響するもので、河野大臣は「消費者利益の擁護・増進の観点から、重要な提言になっている」と評価している。(編集担当:森高龍二)