大使館前の慰安婦像撤去は重要な要素 稲田氏

2016年07月31日 08:18

 自民党の稲田朋美政調会長は直近の記者会見で、日韓両政府の合意に基づいて韓国政府が設立した元慰安婦への支援を図る財団「和解・癒し財団」への10億円の拠出について「韓国の日本大使館前にある慰安婦少女像撤去というのは(日韓合意をお互いしっかり守っていく)という、その中の一つの重要な要素だと私は考えている」と語った。

稲田政調会長は記者団から、会長はこれまで少女像の撤去が前提でなければ10億円を拠出するべきではないという発言をしていたと思うが、政府は8月にも10億円を拠出するという方針を固めているようだ。会長の考えはとの問いに答えた。

 稲田政調会長は「10億円を拠出するというような考えを固めたという事実はないというふうに承知している」としたうえで「私自身は今までも言ってきたように、日韓合意をお互いにしっかり守っていくことが重要で、慰安婦像の撤去というのはその中の一つの重要な要素だと考えている。いずれにしても、日韓両政府が合意内容をしっかりと誠実に履行することが重要と思っている」とし、少女像撤去への韓国の努力を見ていく姿勢をうかがわせた。

 昨年12月の日韓外相会談後の両外相共同記者会見で、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)韓国外交部長官は「韓国政府は日本政府が大使館前の少女像に対し、公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知している。韓国政府としても可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じ、適切に解決されるよう努力する」と表明していた。(編集担当:森高龍二)