中国について防衛白書は「強い懸念」と表記

2016年08月03日 16:01

 中谷元防衛大臣は、防衛白書での中国側の表記に「強い懸念」と昨年の「懸念」から表現を強めた根拠について2日、記者団の質問に答え「軍事や安全保障分野での中国側の説明は非常に透明でないような部分がある」とした。

 そのうえで「非常に国際社会や地域にとって懸念事項であり、透明性の不足という点において基本的な認識に変化がなく、継続しているということ」と説明。

 「特に海洋において中国の姿勢は『高圧的とも言える対応を継続させ』ている、のみならず、『力を背景とした現状変更』の『既成事実化を着実に進め』ている、など中国に対する地域及び国際社会が抱く懸念の程度は強まっている」とした。

 中谷防衛大臣は、防衛白書では「南シナ海を巡る問題についても、アジア太平洋地域の平和と安定に直結する国際社会全体の関心事項であり、中国を含む各国が緊張感を高める一方的な行動を慎んで、『法の支配』の原則に基づいて行動するということが強く求められている。中国が国際社会における自らの責任を認識し、国際的な規範を共有・遵守するとともに、地域やグローバルな課題に対し、より協調的な形で積極的な役割を果たすことを強く期待している旨、また日中間の信頼関係・相互理解を増進していくことが重要である旨も、あわせて記述させていただいている」と付け加えた。(編集担当:森高龍二)