小野寺五典防衛大臣は5日の記者会見で、非常時に民間からフェリーを借り上げる件で、尖閣諸島を含む南西諸島の有事の際、自衛隊員を戦闘地域まで運ぶために民間フェリーの船員を予備自衛官とし現地まで運航させる方向で検討を始めたなどの報道に対し「その報道は違っていると思っている」と答えた。
小野寺防衛大臣は「船員の方を予備自衛官にというようなことは想定していない」とし「今考えているのは現在自衛隊部隊の訓練等、あるいは災害の場合に自衛隊の艦船ももちろん使用するが、足りない場合、民間フェリー等の活用というのも考えていきたいというのが基本。」としたうえで「その中に例えば、自衛隊を退官した後、予備自衛官登録をしたような方が職員としてそこに乗って頂くということ、そういうことも歓迎すべきことかということであり、現時点で船員でいらっしゃる方に予備自衛官登録をして頂くというようなことを想定しているわけではない」と否定した。
また、閣議承認された26年版防衛白書について、小野寺防衛大臣は「今年の白書は一層厳しさを増すわが国を取り巻く安全保障環境や安全保障法制に係る閣議決定、国家安全保障戦略や新防衛大綱といった新たな安全保障・防衛政策、国際社会の平和と安定を維持するため、防衛省・自衛隊が行っている様々な取り組みについて、記述させて頂いた」とした。
特に「安全保障環境では東シナ海問題や北朝鮮ミサイル問題等、様々な問題がこの一年間発生している中で、どのように日本の安全を保っていくのという内容について記述をした」とした。
また「国家安全保障会議もでき、国家安全保障戦略が作られ、防衛大綱、中期防衛力整備計画といった新たな防衛政策の基本を作らせて頂いた。7月1日、安瀬保障に関する新たな法制に関して、政府の閣議決定での方針(集団的自衛権の限定的行使容認)が示されたということでありますので、そのような大きな変化に対応できるような防衛政策についての考えをまとめさせて頂いた」と述べた。(編集担当:森高龍二)