いよいよ上陸するマツダ・ロードスターの従兄弟「アバルト124スパイダー」。会見会場にはFCAのデザイン部ヘッドであるルーベン・ワインバーグ氏が立って説明、同車のフロントマスクを「ちょっと怒った顔」と表現した。
8月5日から千葉・幕張メッセで開催されているヘリテージカーの見本市「AUTOMOBILE COUNCIL 2016(オートモビル・カウンシル2016)」初日のプレスタイムに、FCA(FIAT CHRYSLER AUTOMOBILES)が、新型2シーターオープンスポーツを日本初公開した。
新型は「アバルト124スパイダー(ABARTH 124 SPIDER)で、マツダ・ロードスターの従兄弟車だ。ロードスターと異なるのは、エンジンとエクステリア、ホイールデザインやシートデザインなどだ。そのほか、トランスミッションや駆動方式、サスペンションや電動パワーステなどのアーキテクチャは共通。ただし、サスペンションやステアリングフィール、ESC(エレクトリック・スタビリティ・コントロール/車両安定化装置)などのセッティングはFCAが独自に行ない、大きくロードスターとは違っているようだ。ちなみに4輪を支えるダンパーはビルシュタイン製だ。
エクステリアは写真のとおり、1960年代にヒットしたアバルト124スパイダーへのオマージュとして蘇っている。ボディサイズは全長×全幅×全高4060×1740×1240mmで、ロードスターよりも僅かに大きい。ホイールベースは同じ寸法で2310mm。
搭載エンジンはフィアット製の1.4リッター4気筒直噴ターボで最高出力は170ps(125kW)/5500rpm、最大トルクは25.5kg.m(250Nm)/2500rpmだ。この出力数値は、マツダが国内向けに積んだ1.5リッターNAエンジンと北米向けの2リッターNAエンジンの中間にある。が、トルク特性はかなり異なり、低回転の太いトルクがアバルトの身上といえそうだ。
組み合わせるトランスミッションは6速マニュアルと6速オートマティック(パドルシフト付き)だが、ロードスターとは変速比・最終減速比が大きく異なる。タイヤはロードスターよりもひと回り大径の17インチ(205/45R17)を装着する。こうした違いで、車重はロードスター比で100kgほど重い1130kg(MT車)、1150kg(AT車)となった。それでも、FCAの公式発表によると、0~100km/h加速は6.8秒と優秀な数値を打ち出している。
これだけ速さに拘ったアバルト・チューンを受けた124スパイダーのブレーキも本気度が高いチューンだ。フロントにアルミニウム製4ピストン対向キャリパーを採用する「ブレンボ製ブレーキシステム」の信頼性は高そうだ。
アクティブセーフティ機能も充実していて、ドライブモードセレクターで「ノーマル」と「スポーツ」のパフォーマンスモートを備え、ABS、EBD(電子制御制動力配分システム)、ESCの介入度合いも変化する。なお、サーキット走行には、ABS、EBD、ESCのすべてをカットできるという。
新型アバルト124スパイダーの価格は、388.8万円(MT車)、399.6万円。ボディカラーは全4色。ハンドル位置はすべて右となる。10月8日から正規ディーラーで発売となる。(編集担当:吉田恒)