【今週の振り返り】ドル円一時100円台の円高で314円下落した週

2016年08月06日 08:35

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4~6月期の企業決算の頻出フレーズは「円高により円ベースの売上、利益目減り」。だから東京市場の基本線も、「円高は全てをさいなみ、円安は全てを癒す」

 4日の日経平均は大幅反発。ISM非製造業景気指数は55.5で50を上回り、原油先物終値は40ドル台を回復しNYダウは41ドル高で実に8営業日ぶりの反発。NASDAQも反発。ADP雇用統計は不安なし。朝方の為替レートはドル円が101円台前半、ユーロ円が112円台後半。CME先物清算値は16060円。前日夕方一時15940円まで下落した大阪夜間取引の終値は16080円。

 日経平均始値は85円高の16168円。高値は2時57分の16270円。安値は10時49分の15921円。終値は171円高の16254円。為替と海外市場の状況が朝方やや改善したので16150円を超えてプラスで始まる。序盤は16150円前後の値動きが続くが、10時台にマイナスに落ち、円高が進行してドル円が100円台になると16000円も割り込んでしまう。7月12日以来。11時台になんとか大台だけは回復して前引け。後場はドル円が101円台に戻ったので一転、プラス圏で再開。1時台に16200円を超え、2時台も安定。岩田日銀副総裁が横浜市での講演で「緩和縮小はありえない」と発言したのを好感して為替が円安方向にどんどん進み、101円台半ばになる。日経平均は大型銘柄に旺盛な買いが入り、終盤に高値追いして16250円を超えて終えた。日銀のETF買いは2日、3日は347億円だったが、この日は707億円とほぼ倍増していた。

 日経平均終値は171.78円高の16254.89円、TOPIX終値は+11.01の1282.99。売買高は22億株、売買代金は2兆4633億円。値上がり銘柄数は1159、値下がり銘柄数は717。プラスは24業種で、上位は証券、海運、非鉄金属、鉄鋼、ゴム製品、保険など。マイナスは9業種で、下位は食料品、石油・石炭、パルプ・紙、情報・通信、小売、建設など。上海総合指数は0.13%高だった。

 5日の日経平均は44銭のわずかな反落。イングランド銀行(BOE)はリーマンショック直後以来7年5ヵ月ぶりの利下げ。700億ポンド規模の量的緩和も復活した。カーニー総裁はカナダ人だが英国紳士は約束をちゃんと守る。ロンドン市場をはじめヨーロッパ市場は軒並み高。原油先物終値は41ドル台に上昇したが雇用統計発表前の様子見でNYダウは2.95ドル安と小反落。NASDAQはプラス。朝方の為替レートはドル円101円台前半、ユーロ円112円台後半。CME先物清算値は16220円。大阪夜間取引終値は16250円。

 日経平均始値は24円高の16278円。高値は9時18分の16355円。安値は2時55分の16230円。終値は0.44円安の16254.45円。9時台は16350円を突破したかと思えば、98円下落してマイナスに落ちかける乱高下。その後はプラスを維持しながら、上がっても16300円程度が限界で前引けは45円高の16300円。後場は為替の円高進行を嫌気して再開早々、TOPIXを露払いにいきなりマイナスに落ち、16300円付近まで戻しても2時台には再びマイナスになる弱含みの展開。雇用統計発表前ではやはり買いづらく、様子見。それでもドル円が101円台を維持しているので日足一目均衡表の「雲」の上限16238円が下値支持線の役割を果たし、前日終値16254円付近で小動きする。利益確定売りの金曜日で終盤に安値を更新しても反発する力はあり、マイナスでも前日比ほぼ横ばいで終えた。

 日経平均終値は0.44円安の16254.45円、TOPIX終値は-3.09の1279.90。売買高は18億株、売買代金は2兆1988億円。値上がり銘柄数は616、値下がり銘柄数は1213で2倍の差がついていた。プラスは12業種で、その上位は証券、精密機器、鉱業、輸送用機器、その他金融、不動産など。繊維1業種がプラスマイナスゼロ。マイナスは20業種で、その下位は水産・農林、保険、建設、石油・石炭、医薬品、海運など。上海総合指数は0.19%安だった。

 今週の星取は2勝3敗。前週末7月29日の終値16569.27円から314.82円下落して今週の取引を終えた。ピークの4~6月期の主要企業決算で頻繁に見かけるフレーズは「海外販売は数量ベースでは増加しても、為替の円高により円ベースの売上、利益は目減り」。そのせいか東京市場も、政府の経済対策が発表されても、日銀のETF買いの規模が倍増しても、「円高は全てをさいなみ、円安は全てを癒す」という基本線は変わらなかった。(編集担当:寺尾淳)