【今週の振り返り】ドル円一時100円台の円高で314円下落した週

2016年08月06日 08:35

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4~6月期の企業決算の頻出フレーズは「円高により円ベースの売上、利益目減り」。だから東京市場の基本線も、「円高は全てをさいなみ、円安は全てを癒す」

 1日の日経平均は続伸。前週末7月29日のNYダウは24ドル安で5日続落。4~6月期のGDP速報値が+1.2%で市場予測の+2.5%を下回った。しかしNASDAQは4日続伸。CME先物清算値は16320円。大阪夜間取引終値は16310円。8月1日朝方の為替レートはアメリカのGDP悪化が影響しドル円が102円台前半、ユーロ円が114円前半。

 日経平均始値は153円安の16415円。高値は0時54分の16677円。安値は9時11分の16319円。終値は66円高の16635円。序盤は始値を「寄り高」に下落して16400円を割り込み、前週末の先物終値にさや寄せ。しかしそこから為替の円安進行に伴って右肩上がりの上昇が始まる。9時台後半に16400円、10時台に16500円を超えて前日終値にタッチ。中国のPMIが悪くてもほとんど影響せず。しばらくその水準でもみあうが、11時台にプラス圏に上放れし前引けは81円高の16650円。しかしTOPIXは前場ずっとマイナスだった。後場は0時台にプラス圏で高値を取ってTOPIXもプラスになるが一時的。ドル円が円高方向に反転すると1時台は下落してマイナスにも一時タッチ。それでも後場はずっと日経平均は100円高までのプラス、TOPIXはマイナス。終盤に16600円台半ばまで上昇する場面があったが、最後は少し下げて大引け。TOPIXは最後までプラスに浮上できなかった。

 日経平均終値は66.50円高の16635.77円、TOPIX終値は-0.91の1321.83。売買高は24億株、売買代金は2兆4867億円。値上がり銘柄数508よりも値下がり銘柄数1384のほうが2.7倍も多い。プラスは8業種で、その上位は銀行、情報・通信、精密機器、医薬品、サービス、パルプ・紙など。マイナスは25業種で、その下位は証券、空運、ガラス・土石、海運、その他製品、電気・ガスなど。上海総合指数は0.87%安だった。

 2日の日経平均は大幅反落。原油先物価格は一時4月以来の40ドル割れ。ISM製造業景気指数が-0.6で市場予測を下回り、週明けのNYダウは27ドル安で6営業日続落。しかしNASDAQは5営業日続伸と対照的。朝方の為替レートはドル円が102円台前半、ユーロ円が114円台前半。CME先物清算値は16450円。大阪夜間取引終値は16460円。

 日経平均始値は166円安の16469円。高値は11時6分の16541円。安値は16391円で安値引け。終値は244円安の16391円。先物にさや寄せした後、16500円前後でもみあって始まる。9時台に16450円付近まで下げるが底堅く、前場は16400円台後半で小動き。10時50分頃、入札の不調で債券市場で国債先物が急落しマイナス金利の長期金利が上昇する出来事があり、ドル円がポンと円安方向に振れ日経平均も16500円台に上昇したが、プラスに届かないまま前引け。後場は為替が円高方向に戻って16500円を割り込んで再開し、1時台までは16400円台後半だったが、2時台は下げ幅を拡大して16400円台前半に。日銀のETF買いに関する金融庁の認可をめぐって思惑が交錯し、麻生財務大臣と黒田日銀総裁が夕方会談するニュースが流れたが、ほとんど反応なし。終盤も円高の流れが変わらず、16400円台も最後まで守れず割り込んで安値引け。大引け後、総予算規模28.1兆円、「真水」が7.5兆円とされる「一億総活躍」経済対策が閣議決定されたが、中身は事前に報じられた通りで、麻生・黒田会談も何も出ず為替の円高が進行した。

 日経平均終値は244.32円安の16391.45円、TOPIX終値は-21.63の1300.20。売買高は19億株、売買代金は2兆807億円。値上がり銘柄数は411、値下がり銘柄数は1459。全33業種がマイナスで、その下位は鉱業、銀行、非鉄金属、繊維、海運、輸送用機器など。上海総合指数は0.60%高だった。

 3日の日経平均は大幅2日続落。原油先物価格は終値でも40ドル割れ。個人消費支出はプラスでも新車販売台数は悪化しNYダウは90ドル安で7営業日続落。NASDAQも6営業日ぶりに下落した。リスクオフで金先物価格が上昇。円高が急進し朝方の為替レートはドル円が101円台前半、ユーロ円が113円台前半。CME先物清算値は16095円。大阪夜間取引終値は16120円。

 日経平均始値は164円安の16227円。高値は11時2分の16275円。安値は1時39分の16056円。終値は308円安の16083円。序盤は日足一目均衡表の「雲」の中で16200円にタッチしたり沈んだり。マイナス幅が200円を超える16100円台後半の動きが10時台前半も続いたが、10時30分頃から16200円台半ばまで急伸。財務省の浅川財務官の円高けん制発言に反応した。発射されても「またか」とほとんど反応がない北朝鮮のミサイルよりも効く。前場の残り時間はその水準で動き、前引けは16249円。日経新聞が日経平均225種に採用にすると発表したファミリーマート<8028>が買われ、それに吸収合併されて225種から除外されるユニーGHD<8270>も株価上昇。後場は前引け水準で始まったが、0時台にドル円が100円台になった為替の円高と同調して急落。それでも16100円は割らない。しかし1時台にはそれを割り込んで安値更新。2時台には16100円台に戻り、ドル円は101円をはさんでもみあうが、終盤に再び売り込まれて最後は16100円を割って大引け。安倍首相は「第三次安倍再改造内閣」を発足させた。初入閣が8人。政府、日銀、金融庁が意見交換会をもった。

 日経平均終値は308.34円安の16083.11円、TOPIX終値は-28.22の1271.98。売買高は22億株、売買代金は2兆4585億円。値上がり銘柄数は167、値下がり銘柄数は1757。全33業種がマイナスで、その下位は証券、不動産、ガラス・土石、銀行、水産・農林、食料品など。上海総合指数は0.24%高だった。