東日本大震災で両親またはどちらかの親を亡くした震災遺児の進学を支援するため、カゴメ、カルビー、ロート製薬の3社によって昨年10月に設立され、12月に公益法人として認可された「みちのく未来基金」。同基金が24日に行った発表によると、今年3月に高等学校を卒業した震災遺児の進学率は約80%となっており、震災前の被災3県の平均進学率(約40%)に比べ、約2倍となっている。
被災地域において今春卒業した高校3年生の震災遺児は約120人で、そのうち奨学金給付申請が100人、最終的な進学者は94人となっており、進学先の内訳は、大学が55人、短大および各種専門学校が39人(進学断念:6人)。高い進学率となった理由として同基金は、被災の体験を通じて将来地域や社会に対して貢献できる人材に成長したいと考え、進学を選択する生徒が増えたことや、被災地域の経済復興の遅れによる就職先としての受け入れ企業の減少などによって、地元を離れざるを得ないことなどが考えられるとしている。
今回の発表では、同時に、2013年の春に高校を卒業する生徒への奨学金の給付のため、第2期生の募集要綱を決定し、募集を開始したことを伝えている。給付対象者は、第1期生と同じく、2013年3月に高校を卒業予定の生徒で、東日本大震災によって両親またはどちらかの親を亡くし、大学、短期大学、および専門学校などへの合格者となっている。給付期間は入学から卒業までの全期間(給付対象者の進路により異なる)で、年間の給付金上限は一人300万円(給付対象は入学金および授業料)で、返済義務はない(留年、休学は特別の事情がない場合、給付を打ち切る)。
申請の締め切りは2012年5月31日まで。同基金は、引き続き全ての震災遺児が大学などを卒業するまでの約25年間、引き続き震災遺児の進学支援を行っていくとともに、改めて、幅広い企業や個人の方へ寄付を募っていくとしている。)