総務省は独立行政法人の役職員の給与水準を24日までに公表した。それによると、年齢・地域・学歴を勘案した対国家公務員の給与を100として、日本原子力研究開発機構の職員の平均年間給与は115.9と15.9ポイント高く、43.1歳で715万2000円だった。研究員では49歳で879万1000円。指数で123.3と23.3ポイント高かった。
高くなった背景に「人材確保と類似業種の給与水準」を理由にしている。それによると「原子力研究開発の拠点は都市部に立地することが困難。大都市に立地し先端的な技術開発を進める他分野の研究機関や電力会社等の民間企業と競って有為な人材を確保し、優秀な人材を維持・育成していく必要がある」などとした。
また「原子力研究開発の特殊性」を理由にあげた。「茨城県那珂郡東海村において機構施設のほか、原子力発電所、核燃料加工工場等多数の原子力関連事業所などが立地し、賃金水準は高い状況にある。茨城県の市町村民所得推計によると東海村の所得水準は国家公務員の地域手当設定地域である水戸市等と同等」とした。
今後に講ずるべき措置では(1)給与構造改革や給与制度の総合的見直しの取り組みを継続し、本給上昇の抑制を図る(2)本府省業務調整手当は導入しない(3)諸手当等の水準について引き続き具体的な検討を行うなどとし、「人材確保の観点から類似の業務を営む民間企業との水準を注視しつつ、指数の削減を図り、当面の目標として平成27年度の年齢勘案指数(106.3)未満にする」とした。(編集担当:森高龍二)